第2ラウンド
誰もが驚きを隠せずに思考が停止しているなか、ユキオは手を緩めずに次の行動に移っていた。
空高く放り投げたラード目掛けて稲妻の雨を降らせ、下からはユキオの放つ火の玉がマシンガンの様に次々と打ち出されると無防備なラードに直撃し、小さな爆発音が絶え間なく響き渡っていく。
だが、直ぐに魔法による攻撃を止めて鋭い蹴りを真横に突き出すと空に居たはずのラードがおり、出された蹴りをかわし、反撃の掌手がユキオに迫り来る。
が、その攻撃はすり抜けてしまい、今度は自分目掛けて下から拳が突き上げられるもバク転で直撃を避けつつ距離も取っていく。
「意外と機敏な動きをするんだね」
「それはお互い様だ!そんな小さい体で俺を投げる上に目を閉じたままときやがる!」
最初の印象とは思っていた事とは違う点がある事を互いに口にすると、動きが再び止まるとユキオがゆっくりと目を開けニヤリと笑いを浮かべた。
「だって、視界だけで頼ってちゃもしもの時に何も出来ないでしょ」
そのユキオの発言には確かな説得力があった。
先ほどまでの攻防は全て目を閉じたままで自分の周りに魔法の類いで感知している様子も見れなく、純粋に相手の気配や周りの空気の流れを読み取った行動をしていた事。
普段から己を鍛えている証にラードも嬉しそうに笑みを浮かべるとあれこれ考えるのを止めた。
また、ユキオもラードの雰囲気が変わったのを察知すると構えを取り神経を研ぎ澄ましていく。
すると、やや前屈みの体勢になるユキオは体をゆらゆらと動かし始めると、その体が伸びるかのようにもうスピードでラードの元へ迫っていく。
そんな摩訶不思議な現象にもラードの心は乱される事なく冷静に対処をしていくのであった。
後ろに一歩下がって縦の回転蹴りをかわし、体が宙にあるままのユキオに向けて素早く反撃に転じていく。
「ユキにぃ、ま~た強くなってるよ!」
二人の戦いを見守るユウスケは、神の力が宿っているとは言え、未だに底知れないユキオの力を目の当たりにして何とも言えない気持ちを吐露した。
ラードの反撃を全て捌ききり、その場で華麗な攻防を繰り広げたかと思うと今度は移動しながら激しくぶつかる肉弾戦を始め、時には互いに魔法を撃ち合って牽制するなどして状況が目まぐるしく変化していて、その様子を追い掛ける方が疲れてしまうほどの戦いぶりを見せていた。




