御神木
歓喜の興奮が冷めぬなか、ユキオはこの学園の敷地にある巨大な木の前にやって来ていた。
この巨大な木は、自分達の住む街のシンボルにもなっていても街の何処からでもこの木が見える。
この木は御神木とも呼ばれ、実際、この周りは魔力が満ち溢れ、他にも不思議な力があるのだとか。
そんな木の前にやって来たユキオは、木に手を瞑想を始めた。
何故かわからないが、こうすると自分の中にある神の力を身近に感じる事が出来、神の力に気付く前かは御神木に何か惹かれるモノを感じていた。
「お願いします……見守っててください」
心の中で何度かそう繰り返しながら気持ちを落ち着かせるとゆっくり目を開けていく………と?
目の前には横から顔を出しているマオがおり、思わず驚きの声を出してしまった。
驚くユキオにしてマオはしてやったりな顔をしているが、心を乱されたユキオ的にはたまったものではない。
「大事な時に止めてよもう!」
実にごもっともな事なのだが、マオの顔はまだ何かを企んでいる様に見え、少し下がってユキオが警戒していると、いきなり口付けをされ思わず固まってしまった。
しかし、その硬直は直ぐに解け、今度はユキオの方からマオに甘える様子を見せていた。
「そんなに肩に力を入れる事をなかろう……お主ならいつも通りやれば大丈夫じゃ!それに、ワラワ達もおるではないか」
「じゃあ、もう少しこのままでいて……」
とても安心感のあるぬくもりに浸るユキオに赤子をあやす様に頭や背中をさするマオ。
しばらくの間、二人だけの時間が流れていたが、その様子を見た白が凄い勢いで駆け寄り、後ろからユキオを抱き締めていく。
「ほら、朱雀も!」
「あのねぇ、皆でやったらユキが苦しいでしょうが!」
オレンジ色の髪をした女性である朱雀も一緒にと呼ぶが、朱雀は少し呆れた様子だ。
「ワラワはユキを堪能したから良いぞ!」
だいぶ、落ち着いたユキオを見てすっかりご満悦なマオに続いて今度は朱雀が口づけをして頭を撫でていく。
白も頬擦りしてユキオを堪能しているようだが、そのユキオ本人は安心し過ぎて立ったまま寝ると言う器用な事をしている。
当然だが、ユウスケによって直ぐに叩き起こされ「帰ってからやって」と説教を受けることになったとか?




