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魔法少女が見ている夢は?  作者: 原口もとや
魔法少女が見ている夢。
9/14

09

目の前に小悪魔が浮いている。

夜になって。

気がついたらドミドゥがいた。

ちゃんと戸締まりはしてたのだけれど……。

まぁそういうのは関係なさそうだな。

そうあさひは結論づける。

ドミドゥがいることが普通に思えて。

なぜだかあたり前のことのように感じた。


あさひ「それで……」


あさひ「何か用でもあるのか?」


ドミドゥ「ソウダナ」


ドミドゥ「ヨウスヲミニキタ」


ドミドゥ「ッテトコロダ」


あさひ「様子って俺の?」


ドミドゥ「オマエイガイニナニガアル?」


あさひ「そうする理由は分からないんだけどな」


あさひ「…………」


ドミドゥ「ドウカシタカ」


あさひ「いや……」


あさひ「何だか変な感じがして?」


ドミドゥ「ヘン……?」


あさひ「こうやってドミドゥと喋るのが」


あさひ「懐かしいというか……」


ドミドゥ「ソウナノカ」


あさひ「そうなんだよな」


と考えても。

やっぱりドミドゥとは初対面のはずだし。

何かの気のせいだろうとあさひは思う。


ドミドゥ「ホカニハ?」


あさひ「他に?」


ドミドゥ「ホカニナニカキニナッタコトハナイカ?」


あさひ「気になったこと……。


と考えて。

そちらの方はするっと出てきた。


あさひ「街に見覚えがあるようでない家があるんだ」


あさひ「何だかすごく気になって」


あさひ「何かすごく大事なものがあるような……」


ドミドゥ「ホウ……」


あさひ「えちるに聞いても普通の家って言うし」


あさひ「多分他の人に聞いても同じだと思う」


あさひ「見た感じは普通の家だし……」


ドミドゥ「ソレデモオマエハソレガキニナルンダナ?」


ドミドゥの質問にあさひはうなずいて答える。

やっぱりあさひはあの家のことが気になって。

家の中に何があるのか確かめたくなって……。


あさひ「それに……」


そう言ってあさひは視線を動かす。

ドミドゥのすぐ横。

置いてあるくまのぬいぐるみ。

いわゆるティディベアというもの。


あさひ「ずっと置いてあるけ」


あさひどこれって俺のだったかなって……」


どう考えてもあさひの趣味ではない。

でも……。

ずっと前からそこにあって。

誰か大事な人から貰ったような気がして……。

でも、それは……。

えちるではなくて……。


あさひ「何か大事なことをすっぽりと忘れてるような気がするんだよな」


ドミドゥ「……オモイダシタイカ?」


あさひ「……俺は何か忘れてるのか?」


ドミドゥ「ソレハオレニモワカラナイ」


ドミドゥ「デモ……」


ドミドゥ「ソノイエニハイレバナニカワカルカモナ」


あさひ「…………」


あさひ「……まぁ気が向いたらな」


何か大事なことを忘れてる。

そんな感覚はあるけれども。

意識したらさらに大きくなったのだけれども。

そういうことはよくあることかもしれない。


ドミドゥ「シカシココハイイセカイダナ」


あさひ「そうだな」


ドミドゥ「ミンナシアワセデ」


あさひ「うん」


ドミドゥ「ケンカモイジメモギャクタイモナクテ」


あさひ「うん」


ドミドゥ「ソシテ……ダレモシナナイ」


みんなが幸せなのは当たり前。

喧嘩、虐め、虐待はフィクションの世界のものだ。

もちろん誰かが死ぬことだって……。


あさひ「でもそれって当たり前のことだろ」


ドミドゥ「コノセカイデハナ」


あさひ「そうじゃない世界もあるってことか?」


ドミドゥ「ソウダナ」


ドミドゥ「ソウジャナイセカイモアル」


ドミドゥ「デモココハ……」


ドミドゥ「ホントウニユメノヨウナセカイダナ」


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