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魔法少女が見ている夢は?  作者: 原口もとや
魔法少女が見ている夢。
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今日も2人は並んで歩く。

平和な日々はずっと続いていて。

穏やかに時間は過ぎていく。

みちるは魔法少女に変身するけれども。

ほとんどは人助けのためで。

今ではあさひもその手伝いをしている。


あさひ「平和だな」


なんとなくという感じで。

暖かな日差しを感じながら。

あさひはつぶやく。


あさひ「ずっと、ずっと」


あさひ「こんな日が続いてる気がする」


へちる「……?」


あさひの言葉にへちるは首をかたむける。

へちるにとっては……。

この世界の人にとっては……。

それはごく当たり前のことだから。


あさひ「ここ意外にも世界はあって」


あさひ「そこには嫌なことがたくさんあるって」


あさひ「ドミドゥが言ってたんだ」


少し前に聞いたこと。

あさひはずっと気になっていて。

もしかしたら……。

と思うこともあった。


へちる「嫌な……こと……って?」


あさひ「喧嘩とかいじめとかがあって」


あさひ「それに誰かが死んだりすような」


あさひ「そんな世界」


へちる「えっと……それは……」


へちる「小説の中……とかって……意味じゃなくて……?」


あさひ「うん」


あさひ「ここは夢のような世界だって」


夢のような世界。

なんだか凄く印象に残っている言葉で。

その言葉のせいで。

目の前の景色がふわふわと見えてしまっている。


へちる「でも……ここが……凄く……平和だから……」


へちる「それで……いいんじゃ……ないかな?」


あさひ「まぁそうなんだよな」


世界はたくさんあって。

ここじゃない世界はこことは違う。

ただ、それだけのこと……。

そう納得もできる。


あさひ「それにドミドゥが言ってることも」


あさひ「本当のこととも限らないしな」


へちる「うん……」


へちる「ドミドゥ……は……」


へちる「時々、いじわるなこと……言うから……」


あさひ「そんな感じだよな」


へちる「うん……」


へちる「でも……悪い子じゃ……ないよ……」


あさひ「それも分かる」


ドミドゥは口が悪かったりする。

でも、少し話しただけで。

悪いことを考えるような存在ではないことは分かる。


へちる「えっとね……」


へちる「たくさんの世界がある……かもだけど……」


あさひ「うん」


へちる「わたしはね……こうやって……」


へちる「あさひくんの……隣に入れて……」


へちる「幸せ……だよ……」


あさひ「それは俺も同じ」


へちるとは昔からずっと一緒で。

当たり前の存在ではあるけれども。

だからといって当たり前にいるわけじゃない。

それはこの世界についても同じで……。

ドミドゥはそういうことを言いたかったのかもしれない。

そうあさひは思いたかったのだけれど……。


あさひ「…………」


その日は珍しく一人で帰宅していた。

魔法少女たちは集まって何かをするようで。

あさひもそれを手伝おうとしたが……。


ドミドゥ「オマエハサキニカエッテロ」


そう言われたので帰ることにした。

1人で帰るといっても普段と変わりはなく。

ぼんやりとしたまま歩いていた。

あの家を見るまでは……。


あさひ「やっぱり気になるんだよな」


そうひとりごとを言いつつ。

あさひは足を止めて例の家を見る。

何度見ても普通の家にしか見えずに。

へちるはその存在を意識していないみたいで。

まるで見えていないような印象さえ受ける。

それでもあさひは気になっていて。

あの扉の向こうに何か大事なものがあるように思えるし。

なんだか夢の中にいるような。

ふわふわとした気持ちの正体を知ることができるかもしれない。

ドミドゥの言葉の本当の意味を知ることができるかもしれない。

そんなことを考えてしまい。

さらに気になってしまっている。


あさひ「……誰か住んでるのかだけでも……」


1人だったらそのまま通り過ぎていた。

しかし、今は1人。

あの家を調べるには今が一番いい気がした。


あさひ「行ってみるか……」


あさひはつぶやいた。

あの扉の向こうに。

何があるのかを知りたくなったから。

そして……。

ドミドゥはあさひにそうさせたかったのだと。

一歩目を見踏み出した時に気がついた。

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