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魔法少女が見ている夢は?  作者: 原口もとや
ずっとずっと夢見ること。
11/14

01

少女は夢を見る。

短く静かな夢を見る。

みんなが幸せになれるように。

みんなが幸せでいられるように。

心から祈りながら。

今日も少女は夢を見る。


あさひ「朝だぞ」


あさひ「起きないと遅刻するぞ」


いつもの朝の時間。

いつものように。

あさひは幼馴染を起こす。

少し雑に体を揺らして。

あいが起きるのを待っている。


あさひ「起きないな……」


あいが寝坊するのはいつものこと。

なかなか起きないのも同様だけれど。

今日は何だかいつもと様子が……。

でも……。

幸せそうに眠っているあいを見て。

穏やかに眠っているあいを見て。


あさひ「そろそろ起きないと…‥」


ちらりと時計を見る。

あいはのんびりと寝ているけれども。

時計はしっかりと時間を刻んでいる。


あさひ「遅刻するんだけどな」


あさひ「まぁ別にいいけど」


あさひは大きくあくびをする。

幸せそうに眠っているあいを見て。

眠気がうつったのかもしれない。


あさひ「あまり起きないようなら……」


あさひは部屋の隅を見る。


あさひ「俺も寝てもいいかもな」


そう思った時だった。


あい「うん……」


あい「あれ……もう……朝?」


あいがゆっくりと目を開いた。

眠そうな目であさひを見ている。


あさひ「ばっちり朝だぞ」


あい「そうなんだね」


あい「おはよう」


あさひ「……おはよう」


あさひ「…………」


あさひ「そろそろ準備しないと遅刻するぞ」


あい「うん」


あさひ「今日はぐっすり眠ってたな」


あさひ「起こしてたけど全然だったぞ」


あい「えっとね……」


あい「夢を見てたんだ」


あさひ「夢?」


あい「うん」


あい「夢はいつも見るんだけどね」


あい「今日のは何だかね」


あい「いつもと違ってて……」


あさひ「どんな夢だったんだ?」


あい「それは……」


あいは自分が見ていた夢を思いだそうとするけれど。

ぼんやりした頭で考えるけれども。

あさひが待っても言葉は出てこなくて……。


あい「忘れちゃった」


あい「何か大事な夢のような気がしたんだけど……」


あさひ「まぁ夢ってそんなもんだろ」


あさひ「外で待ってるからすぐに準備しろよ」


あい「うん」


あい「…………」


あさひ「どうしたんだ?」


あい「いつも起こしてくれてありがとう」


突然のお礼の言葉。

いきなりのことだったから。

あさひは驚いてしまって。、


あさひ「…………」


何も言えずにあいを見た。

あいはあいも変わらずベッドの上で。

何だかまたこのまま眠ってしまいそうな。

そんな雰囲気も感じ取れるような……。


あい「あのね」


あい「あさひが起こしてくれなかったら」


あい「ずっとずっと眠ってそうって……」


あさひ「……何だかしゃれにならない気がする」


実際のところ。

あさひが起こしに来ない休日は。

夕方まで起きてこないことがあると。

あいの母親に聞いたこともあって。


あい「だから……」


あい「そう考えちゃったから……」


あい「ありがとうって」


あい「言いたくなったんだ」


あさひ「それなら明日からはもっと早く起きろよ」


あさひ「たまには俺が起こしてもらってもいいと思うぞ」


あい「それは難しいかな」


あい「あさひに起こしてもらわないとね」


あい「何だか起きたって感じがしないから」


あさひ「それは重症だな」


あい「うん」


あい「重症かも」


でも……。

素直に嬉しいとあさひは思った。

今日もあさひはあいを起こす。

今日もあいと話ができる。

それが分かればいいと。

あさひは思って。

あいもきっと。

同じように思ってくれてると分かって。

この時間はいつか。

終わってしまう日が来るのだけれども。

今はこの幸せを大事にしようと。

あさひは思った。

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