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魔法少女が見ている夢は?  作者: 原口もとや
魔法少女が見ている夢。
8/14

08

学校からの帰り道。

あさひはずっと昨日のことが印象に残ってて。

なんだかずっと夢見てるみたいで。

いつものように起こしてもらって。

いつものように一緒に学校に行って。

いつものように並んで歩いている。

そんなえちるが……。


あさひ「本当に魔法少女なんだな」


えちる「……うん……」


えちるは小さく頷く。

そう言われると。

昨日のことは本当に現実なんだなって。

あさひは再確認することができた。

あの後……。


桜子「私は家に帰りたいからこれで」


桜子はそう言ってすぐにいなくなった。


円「本当に記憶をあれしなくていいんだよね?」


小悪魔「ソウダナ」


小悪魔「ソイツハナニモシナクテイイ」


えちる「もしかして……知り合い……だったりする?」


小悪魔「…………」


あさひ「いや……」


あさひ「さすがにこんなファンシーな知り合いはいないな」


小悪魔「ダソウダ」


円「ふーん」


円「まぁいいっていうならいいんだけど」


そんな感じで。

あさひは記憶をあれされることなく帰宅できて。

今もちゃんと魔法少女のことを覚えてる。


えちる「でも……」


えちる「……本当に……びっくりした……」


あさひ「俺がいたから?」


えちる「それも……あるけど……」


えちる「……本当は……ね」


えちる「姿を……見られても……わたしって……」


えちる「認識……できないように……なってる……」


あさひ「えちるを知ってる人でもえちるって分からないってことか?」


えちる「……うん……」


えちる「魔法少女のことを……知らない人には……」


えちる「そう……見えるって……」


あさひ「そうなんだな」


なぜ自分は魔法少女の正体が分かったのか……。

あさひは考えてみるけれども。

その答えは全く出てこなくて……。


あさひ「えちるはどう思う?」


えちる「えっと……私も……分からない……かな」


あさひ「だよな」


えちる「ドミドゥ……はね……」


あさひ「それはあの小悪魔の名前?」


えちる「……うん」


えちる「何か……知ってる……みたいだったけど……」


えちる「教えて……くれなくて……」


あさひ「まぁそこらへんは気にはならないかな」


あさひ「別に困ることでもないし」


あさひ「えちるが魔法少女だって知れて嬉しかったからな」


えちる「……いや……じゃない?」


あさひ「嫌なわけないだろ」


あさひ「えちるにぴったり似合ってるしな」


えちる「ありが……とう……」


えちるは小さく微笑む。

本当に嬉しくて。

自分が魔法少女になれた時より嬉しくて。


あさひ「でも……」


あさひ「いつもあんな悪魔と戦ってるのか?」


えちる「いつも……じゃないよ……」


えちる「本当に……たまに……だから……」


えちる「いつもはね……」


えちる「困ってる人を……助けたりとか……」


あさひ「そういうのの方がえちるらしいな」


えちる「私も……そういうのの方が……好き……」


また小さくえちるは微笑んで……。


えちる「あ……」


小さな声を出す。

えちるの先には大きな木があって。

風船が木にひっかかっていて。

その下には男の子がいて。

男の子は風船を気に入っていたのか。

じっと見つめていて……。


えちる「取って……あげて……くるね」


あさひ「え……?」


といった時には。

えちるはあさひの隣からいなくなっていて。

ゆっくり、ふわりと。

木の方に飛んでいった。

まるで無重力みたいに。

軽やかにえちるは風船をつかまえる。

その下では男の子が少し驚いた感じで見ていて……。


えちる「はい」


えちる「もう手を離しちゃ駄目だよ」


えちる「大事なものはね」


えちる「しっかりつかんでおかないと」


男の子「ありがとうっ!」


男の子「もう絶対に離さないっ!」


えちる「うん」


男の子の言葉ににっこりと微笑むえちる。

その表情はとても柔らかくて。

凄く嬉しそうなもので。

あさひはやっぱり。

えちるは誰かを助けてあげることが。

えちるが魔法少女でいることが。

とても似合っていて。

そのことがとても嬉しく思えた。

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