03
知久「今日も遅刻しそうだったな」
あさひ「今日も寝坊してたから」
休み時間。
あさひは知久と話をしていた。
あいは誰か他の友だちとお喋り中。
いつもセットで扱われがちだけれど。
あさひとあいは四六時中一緒にいるわけでもなかった。
あさひはそんなに友達が多い方ではなかったけれども。
あいはいつも明るい性格のおかげか。
友達はとても多くて。
それは昔からだったけれども。
登下校がいつも一緒なのも昔から同じで。
中学辺りではからかわれたりしたものの。
2人にとって当たり前過ぎて変化することはなかった。
知久「あいも変わらず起こしに行ってるんだな」
あさひ「そりゃな」
あさひ「俺が起こしに行かないと」
あさひ「あいつはいつまでも寝てると思うし」
知久「あいも変わらずラブラブなことだ」
あさひ「まぁそうとも言えるな」
知久「あいも変わらず恥ずかしがらないな」
あさひ「恥ずかしがってもしょうがないから」
あさひ「何度そのネタでからかわれたと思ってんだ」
知久「最初は付き合ってないとかありえねーって思ったけど」
知久「今は逆に納得してしまうな」
あさひ「だろ」
実際のところ。
あさひも付き合うということにピンと来ておらず。
おそらくあいも同じだろうと分かっていたし。
今のままで十分だとも思っていた。
知久「まぁ俺もお前らのことは何も言えないんだけどな」
あさひ「告白するってずっと言ってるもんな」
知久「ああっ!」
知久「あの人こそが俺の憧れだからなっ!」
そう張り切って智久は言う。
智久は生徒会長に片思い中で。
今も雑用をしによく生徒会室に出入りしている。
最初は見た目などで浮いてはいたが。
真面目に、真剣に。
しっかりと学校に貢献するとのことで。
今では時期生徒会長にという声もなくはない。
生徒会の人とも仲良くなっていて。
よく話し合いには出ているが……。
あさひ「でも相手にされてないんだろ」
知久「まぁそうなんだけどな」
生徒会長本人とはほとんど話したこともなく。
いてもいなくてもいい。
そんなぐらいに思われてるのも分かっていた。
知久「でもまぁ生徒会長とか抜きにしても」
知久「生徒会でなにかするっていう楽しさは分かってきたな」
あさひ「それはいいことだな」
知久「お前もやってみるか?」
あさひ「俺にはそんな奉仕の精神はないから」
知久「だろうな」
知久「といってもな」
知久「生徒会長のことを諦めてるってわけでもない」
知久「今度こそ……」
知久「今日には……」
知久「いや……明日には……」
知久「いやいや……明後日には……」
あさひ「どんどん伸びていってるな」
知久「なんなんだろうな」
知久「前はもっと気軽に告白できたのに」
あさひ「それだけ本気ってことなんだろ」
知久「だといいんだけど」
あさひ「俺的には」
あさひ「さっさと告白して」
あさひ「玉砕してこいって感じだけどな」
知久「駄目なことが前提かよっ!」
と言いつつ……。
知久「まぁ自分もそうなると分かってるけどなっ!」
と明るく分かって言う。
まるっきり相手にされていない。
告白しても駄目なのは分かっている。
知久「けれども告白したら少しは意識してくれるんじゃないかって」
知久「そう思えるような……思えないような……」
あさひ「強気なのか弱気なのか分からないな」
知久「まぁ近いうちに告白はすると思う」
知久「そうしないと始まらないと思うからな」
あさひ「玉砕したらコーラぐらい奢ってやろ」
知久「さすが勝者の言うことは違うな」
あさひ「誰が勝者だ」
そんなこんなで。
休み時間はあっという間に終わる。
あさひは知久が告白するのかしないのかは分からない。
いつものようにしない確率のほうが高い気もする。
けれども……。
今回ばっかりは本当に告白するかもしれない。
そんな雰囲気は確かにあった。
そして、その告白は。
きっと残念な結果に終わることだろうと思った。
知久はすごくいいやつだし見てくれも悪くない。
それでも生徒会長は厳しそうだよなと。
あそこまで相手にされてないのは無理だよなと。
そう思ってしまうけれども……。
それでも告白して悪いことにはならないとも分かっていた。
だから……。
慰めの言葉でも考えといてやるか。
チャイムの音を聞きながらあさひは思った。




