♯52 不和の影と、大きな毛虫:後篇
毎度ご閲覧等、有難う御座います!
引き続き、地下洞窟で毛虫と戯れます。
苦手な人はブラウザバックを押して逃げて下さい。
地下洞窟の探索を始めてそろそろ半日と言ったところか、お腹の虫も鳴き始め、朝早くから続いているある種の強行軍に区切りを入れようとしている僕は、思惑どおりにいかない現状に少しばかり戸惑っていた。
『‥‥どうしよう‥‥』
別に、道に迷って同じところを周回している訳でも、食料を忘れた訳でも、魔物に囲まれて命の危険を感じている訳でもない。
というか、先刻すれ違ったデカい毛虫以外の魔物は見ていないくらいに、地下五階層目は閑散としていた。
では、何に戸惑っているのかと言うと、すれ違ってからこっち、三十分程経つだろうか、ずーーーーっと僕の後ろをついて来る、デカい毛虫の目的が分からないからだった。
立ち止まると毛虫も立ち止まる。
歩き出すと、毛虫も動き出す。
因みに、振りかえった時に調べてみたら、結構な能力値で、トカゲやバッタよりも、相当強い。
種族:地下古炎虫種 白古炎虫(特異個体・幼態)
名前:レクス・ロブナ Lv,11
HP 90/1200 MP 90/890
攻撃力 980
防御力 210
素早さ 990
耐久力 1000
知力 2200
魔力 5800
称号:[名前持ち] [魔導の使い手 20][特殊進化個体 1][竜を殺す者 1]
魔法:[火魔法][炎魔法][焔魔法]
スキル:[簡易詠唱][消費魔力半減][異常硬化(防御力+600%、耐久力+700%)][撚糸][粘糸][毒針毛][甲鱗突破]
状態異常:空腹
※ 因みに、僕の現在の能力値がこちら↓
種族:人種 獣人 青虎人(特異個体)
名前:ジュウゾウ ミシロ (三代 重蔵) Lv, 10
職業:[式術師 65](武芸者 171、創造者 73、????)
HP 4300/4300 MP ―/―
攻撃力 1200
防御力 904
素早さ 1990
耐久力 900
知力 727
魔力 2800
称号:[召喚者・崩] [武芸者・至][シーカー][超える者 500][暗殺者 23][獣王候補 15][統合する者 6]
魔法:[装備転送]
スキル:[獣化] [式術制覇] [降魔調伏] [無詠唱] [重撃](攻撃力+300%) [絶守](防御力+300%) [虎王身](攻撃力+500%、防御力+2000%、素早さ+650%)
装備:
頭 積層装甲式狐面・黒(????)
胴 積層装甲式ブレストプレート
腕 積層装甲式特殊手甲(ナックルガード付)
足 積層装甲式足甲
右 新月 100{スキル15%使用可}(防御力+15%、魔法付与:水、魔法付与:氷)
左 円月 50{スキル10%使用可}(攻撃力+10%、魔法付与:炎)
アクセサリー 白鷹紋の外套・改(防御力+20、耐属性防御+10)
丈夫な革鞄
『いや、トカゲやらバッタと比べるどころか、僕より高い数値を叩きだしてる能力も有る‥‥』
しかも火系魔法のみとは言え、魔法も使える上、特異個体でネームド‥‥。
『もしかして、特異個体って色が付くのかな?』
某狩猟ゲームの亜種みたいな感じだろうか‥‥。
今まで周りに同じ状態の人も居なかったし、これは発見かも知れない。
兎も角、諸々踏まえたら、実際強い。
まぁ、で、問題は何故この毛虫ことレクス・ロブナさんが僕の後をついて来るのか?って所に立ち返る。
『どう考えても、状態異常:空腹 ですよねー‥‥』
時間→昼時+鞄からの食糧の匂い+レクス・ロブナさんの空腹状態=腹ペコ白虫
実にシンプルな公式だ。
シンプルなだけに困る。
餌付けしても良いものなのか、人の食べ物は毒じゃないのか、満足したら攻撃してこないか。
この三つが考え付いた懸案事項だった。
立ち止まって見つめ合う一人と一匹(?)
地下洞窟の毛虫と獣人
キャタピラー&タイガーマン(?)in地下洞窟だ。
数分見つめ続けて我に帰る。
『何やってるんだ僕は‥‥』
■■■
結局地下河川まで移動して(ログロの洞窟には、地下河川が各階層に点在しているらしい)、丁度良い岩に腰を下ろした。
多分困っているだろう人(では無く毛虫)を見ないふりでスルーしても気分は良くないし、見る間に減っていくHPとMPを見てそれでも攻撃してこない(出来ない?)ロブナさんに根負けした僕は、大人しくお昼ご飯を分け合う事に決めた。
「あー‥‥、よろしければ、召し上がります?」
毛虫相手に敬語で話しかけるのは、世界でも初めてなんじゃないだろうか。
まぁ、ファンタジーな世界だし、不思議の国の人よろしく、巨大芋虫と会話をした事が有る人も居るかも知れない。
『どちらにせよ、嫌な先駆者だなぁ‥‥』
頭の中でそんな事を考えていると、ロブナさんがゆっくりと此方に進んできた。
ふおぉ、凄い迫力だ。
鞄から取り出した葉物野菜に反応して、おずおずと此方を窺っている。
なんか可愛い。
『ここまできたら後は野山だ』
どうぞ。と一言付け加えて、野菜を手に持って差し出すと、漸くロブナさんが咀嚼を始めた。
目と鼻の先で巨大な毛虫が野菜をパリパリと小さく噛み千切っていく様は、子供の頃に観察した、黒揚羽の幼虫を想起させて、何だか少しだけ郷愁に包まれた。
結局センチメンタルになった僕は、干し肉にパンも含めて、お昼御飯を全て差し出してしまい、帰りしなに襲われる空腹を呪う事になるけど、それはまた別のお話。




