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転生クエスト - ヤンキーが異世界に転生したら -  作者: 早手祐也
【第一章】 モンスターカーニバル
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12-赤龍王

「サクヤよ。危ないではないか! 止めを刺す邪魔をするでない!」


 止めを刺す邪魔をされて、微妙に不機嫌そうなセトである。

 実は恨みを晴らすのを邪魔されたから機嫌が悪くなったわけではない。

 最後に必殺技で格好よく決めようと思っていたところに水を差されたから、ご機嫌斜めだったのだ。


「まあまあ、セト、落ち着け」

「我は落ち着いておる。だから、そこをどくのだ!」

「止めを刺すのはダメだ」

「止めを刺さずに、何を刺すというのだ!」


 微妙に訳の分からないことをいっているセトに、咲哉は淡々と説明をする。


「お前は以前、赤龍に負けたとき止めを刺されなかったよな? だから、今こうして俺の目の前にいるわけだ」

「まあ、そうじゃの……。命からがら逃げて来たしの」

「おそらく赤龍は止めを刺そうと思えば刺せる状況にあったはずだ。セト、お前は負けてボロボロだったんだろ? 赤龍に見逃してもらったんだよ」

「うーむ……」


 実際の状況は定かではないが、咲哉のいったことが正しい可能性もあるだろう。

 しかし、咲哉としては止めを刺さないことをセトに承諾さえしてもらえば、どんなこじつけ話でもよかった。

 赤龍をモンスターイートで取り込むことさえできればよかったからだ。

 モンスターイートで取り込むから殺すなといったとしても、セトの性格を判断するに納得しない可能性が高いと判断しての考えだった。


「こいつは俺がモンスターイートで取り込み下僕にする」

「下僕だと!? 赤龍が咲哉の下僕……ぐっふっふっ、いい響きじゃのう!」


 さらに追い打ちをかけて赤龍をモンスターイートで取り込むことを了承させる。

 セトの性格を把握しての実に巧妙な殺し文句だ。

 悪どいこと極まりない咲哉である。


「じゃあ、問題はないな。取り込むぞ?」

「いや、待て待て。咲哉の下僕ということは、友である我の下僕ということでもあるよな?」

「いや……どうだかな。それは本人次第じゃねえか?」

「そうか……うむ。まあ、好きにするがよいわ」


 どうにかこうにかセトを納得させた咲哉はモンスターイートで赤龍を取り込む。


「よし。瀕死だったが、死ぬ前にどうにか取り込めたな。とりあえず、モンスタープリズンを出て、城のあった平原まで戻るか」

「待て待て! その前に酒を持って帰るのじゃ!」


 この山岳には酒が沸き出している泉がある。

 セトはこの酒のために赤龍にリベンジしたともいえるのだ。


「ああ、酒があったんだったな。そんなもん持って帰らなくても、俺がいつでも城で同じ酒を飲めるようにしてやる」

「ほ、本当か! サクヤよ!」


 酒の泉に案内してもらった咲哉はサクッと味見をし、オートフードメイカーのメニューに組み込むのだった。


◆ ◆ ◆


 城を転移させて平原まで戻ってきた咲哉は、早速、赤龍を召喚することにする。


「じゃあ、召喚するぞ。モンスターサモン! 赤龍!!」


 大蛇のように胴体の長い赤龍が一瞬にして咲哉の目の前に現れた。

 瀕死の状態で取り込んでも、最初の召喚では傷など全てが完全に回復する優れた仕様である。


「黒龍にやられて死にそうだったのは覚えているか?」


 コクンと頷く赤龍。

 特に暴れる様子もなく大人しくしている。

 召喚者に逆らえないといっても、命令をしない限り自由意思はある。

 動かず大人しくしていろなどと命令をしない限り、暴れることもできるのだ。

 ちなみに今のセトは人化をしているから、赤龍はセトにビビって大人しくしているわけではない。


「死にそうになっているお前を助けたのは俺だ。よって、お前は今日から俺の下僕だ!」


 またまた、コクンと頷く赤龍。

 下僕といわれて反抗する様子もなく、あまりに大人しすぎる。

 咲哉は微妙に心配となり小声でセトに話しかけた。


「ずいぶんと素直だが、こいつは大丈夫なのか?」

「そんなこと、我に聞かれても分からん」

「同じ龍であるセトが分からないのなら、俺に分かるかわけがないな」


 赤龍は何をこっそり話しているのとでもいうように、ちょこんと首をかしげる。

 微妙に愛らしく見えてくるから不思議だ。


「よし。では、お前に名前を授けよう。お前の名前は今日から¨赤龍王・セクメト¨だ!」


 恒例の名付けであるネームオーダーを行う咲哉。

 赤龍王・セクメトと名付けられた赤龍は体がさきほどよりも大きくなり、胴体に鎧のような甲殻が浮き出てきた。

 赤褐色だった色は真紅へと変わっている。


「なかなか、凛々しい姿だな。セト、今のお前と互角くらいの強さになったんじゃないか?」


 いたずらな笑みを浮かべてセトを見る咲哉。


「うむ……。まあ、我と咲哉は友であるが、赤龍は下僕であるからな」


 微妙に不機嫌そうなセトは、赤龍の強さのことを触れずにごまかした。


 咲哉はアナライズでセクメトのステータスを確認する。


-----------


【ステータス】


 名前:赤龍王・セクメト

 種族:龍族

 種別:炎龍王

 ランク:EX

 属性:火

 称号:大炎熱


 LV:89

 HP:48384/48984

 MP:57816/57816

 STR:4342

 INT:8424

 DEX:2064

 AGI:2412


 特性:耐精神(大)・耐火(極大)・耐肉体(大)


 STR系スキル:ファイアークロウ・ファイアーファング・ファイアーハッキング


 INT系スキル:ファイアーボール・ファイアーストーム・ファイアーブレス・マナオーラ・エクスプローション・多重結界・龍王の威圧・ペスティレンスブレス・ディジーズコンバレセンス


 DEX系スキル:チェンジソーサリー


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 INT系とSTR系の違いはあるがセトとほぼ互角くらいの強さにパワーアップしていた。


 新しく増えたスキルで気になったのは、ペスティレンスブレスとディジーズコンバレセンス。

 名前だけじゃスキル効果がいまいち想像できないので、アナライズで確認をする。


------------


【ペスティレンスブレス】


 感染力の高い病原菌を撒き散らすブレス。


 周囲にいる人やモンスターを問わず、全てを病原菌に感染させて病気の状態異常にする。



【ディジーズコンバレセンス】


 病気の状態異常を100パーセントの確率で完治するスキル。


-----------


 何とも使いかっての悪いブレスと頼もしい病気完治のスキルであった。


 若干顔がひきつりつつも、ごまかすようにセクメトに話しかける咲哉。


「セクメトという名前はどうだ? 気に入ったか?」


 嬉しそうにコクコク何度も頷くセクメト。その様子から、よほど気に入ったことが想像できる。

 ペットのような愛らしさを感じるセクメトに咲哉は好感を覚えていた。


「いつまでも外にいるのも何だし、城の中を案内したいのだが、お前は人に化けることはできるのか?」


 コクンと頷き、人の姿へと変化するセクメト。しかし、その姿を見て咲哉は絶句する。

 360度どこからどう見回しても幼女の姿だったからだ。

 ツインテールの赤い髪をした幼女が、服を着ていないスッポンポンの状態でそこに立っていた。

やっとヒロイン? 登場かと思いきや、

幼女キター(゜∀゜)ー!! です。


作者は幼女好きではありませんよ。ええ、ほんとマジで(笑)

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