11―赤龍
咲哉は天守閣から飛び出していったセトを横目に、赤龍のステータスを確認する。
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【ステータス】
名前:赤龍
種族:龍族
種別:炎龍
ランク:EX
属性:火
称号:大炎熱
LV:89
HP:37680/37680
MP:32120/32120
STR:3340
INT:4680
DEX:1720
AGI:1820
特性:耐精神(大)・耐火(大)
STR系スキル:ファイアークロウ・ファイアーファング
INT系スキル:ファイアーボール・ファイアーストーム・ファイアーブレス・マナオーラ・エクスプローション
DEX系スキル:チェンジソーサリー
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「なるほど。赤龍はINT系か。確かに以前のセトなら分が悪いだろうな」
以前のセトとステータスを比べてみると、赤龍はINTとAGIが高い。
STRに特化したセトは、赤龍の素早さに振り回され、ファイアーブレスやエクスプローションなどのINT系スキルでじわじわとHPを削られ敗北したことが想像できる。
しかし、黒龍王としてパワーアップした今のセトは違う。
INTこそ赤龍より低いがAGIは大きく上回っており、素早さで翻弄しSTR系スキルで大打撃を与えられるはずだ。
ちなみに、INTが大きいほどINT系攻撃スキルを受けたときのダメージは小さくなり、STRが大きいほどSTR系攻撃スキルを受けたときのダメージは小さくなる。
STR系のセトとINT系であるセクメトの相性は最悪だ。
相性が悪い相手との戦闘はAGIの大きさが勝敗を分ける可能性が高くなる。
よって、今回はセトのほうに大きく分があるともいえるのだった。
◆ ◆ ◆
赤龍の体を青白いオーラが取り巻く。
マナオーラのスキルを発動したのだろう。
INTが2倍に増加している。
赤龍はセトのほうに首を向けると、口から大火炎弾を3発連続で吐き出した。
セトは多重障壁を展開する。
巨大な壁が何重にも浮かび上がっては砕かれ、着弾ぎりぎりで大火炎弾を全て打ち消した。
STR系スキルの多重障壁では、INT系スキルであるファイアーボールを防御するのはかなり分が悪い。
「ふぅー、思ったよりも威力があったな。さすがに、肝を冷やしたぞ。次は我のターンじゃな」
そういうとセトの姿は一瞬にして消え、次の瞬間には赤龍の後頭部を尾で吹き飛ばしていた。
尾に黒いオーラが溢れ出していたことから、ダークテイルのスキルを発動していたことが分かる。
「速いな……。モニター越しだからこそ辛うじて目で追えた感じだが、目の前にいた赤龍には、転移したように見えたかもしれないな」
赤龍から見ると転移したという認識どころではなく、何が起こったさえ理解できていなかった。
気が付いたら既に吹き飛ばされていたのだ。
セトと赤龍のAGIを比べると592の差がある。
種族が人間の場合を例にすると、レベル99を超える猛者であったとしても、AGIが500を越える者はほとんど存在しない。
AGI592の差は人間でいうところのレベル99に相当する以上の差となるのだ。
「ガッハハ! 酒の恨みを思いしれー!!」
山肌に勢いよく吹き飛ばされ、身動きひとつ取れない赤龍をセトは黒いオーラをまとった爪や拳でめった打ちにする。
「身動き取れない相手にダーククロウやダークスマッシュを連発するとは、えげつないほど容赦がないな。しかも、酒の恨みを思いしれって……」
みるみると赤龍のHPが減っていき、もはや瀕死に近い状態だ。
セトはピクピク痙攣している赤龍の頭上に飛び上がると、大きく息を吸い込む動作をする。
強烈な黒いオーラがセトの口から溢れ出した瞬間、巨大な黒炎が吐き出された。
黒龍王最強のブレスであるダークインフェルノが放たれたのだ。
「ちょっと待てえ!!」
ダークインフェルノが赤龍に直撃するかと思われたまさにその時、巨大な結界が展開されたのだ。
結界に向かって放たれるダークインフェルノ。
結界に遮られた黒い炎は徐々に勢いをなくしていき、辺りに静寂が訪れる……。
「危ねえなあ! 一瞬、死んだ幼馴染みの顔が見えかけたぜ」
静寂を破ったのは、赤龍を守るように立ちはだかる咲哉だった。




