たんさく3
「着いた……」
やがて、一同が足を止めたのは、東西に伸びる廊下の、東側の突端。
長かった通路も、そこでとうとう終わりを告げている場所だ。
すぐ近くには、二階へ通じる階段がある。
それを脇目にさらに進むと、そこはもう屋外である。
ただし、屋外とはいえ、屋根つきの渡り廊下が完備されており、すぐ近くにある体育館への接続を、容易なものにしていた。
「………………」
もちろん、いまの一同にとっては、必要のない事物である。
「生徒会室だ……」
「おぉ……っ!」
わずかに戦慄をきたした声で、望月が呟いた。
緊張と恐怖心。 それに、純な冒険心か。
胸中で渦巻くそれらが、いよいよ最高潮に達したのだろう。 妙な気合いをかけた幸介が、上ずった声で応じた。
「着いちゃった……。 着いちゃったよっ?」
「うん。 着いちゃったな?」
片方の腕に、ギュッと力をこめてくる珠衣。
その、悲鳴を思わせる口振りに対し、努めて平静を装いつつ、史が応じた。
「………………」
俄かに聞き耳を立てて、周辺の気配をさぐる。
ここが噂の出所であるからには、もはや一瞬も気を抜くことは許されない。
“生徒会室”
一同の頭上では、一室の名称を記したプレートが、懐中電灯の明かりを、ぼんやりと浴びていた。
その下部、ひんやりとした質感をただよわせるドアが、頑なに閉口している。
さながら、哀れな客人を必死に拒む姿勢で、ひたすら口を閉ざしているのだった。




