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熱中してます2
「や、待てよ? その声は、女性のものだった? それなら、やっぱり侍女という線が……」
「史ぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!」
「はいはい……」
仮病を訴える余裕も、涙をぬぐう暇もなく、史の片腕に、珠衣が縋りついた。
「むん……? や、仮にも侍女なら、最期は自分の主と運命を共にする筈だよな? やっぱり」
「史……っ! 史ぃぃぃぃぃぃぃっ!!!!!」
「大丈夫大丈夫……」
最前から張りつめていたテンションの糸が、ここに来て、とうとう耐えきれなくなったのだろう。
もう片方の腕に、幸介が泣きついた。
「彼女たちの終焉の地を、この場所と仮定するのなら……。 ん? どうして、離ればなれになったんだろう?」
「「うああああああああああっ!!!?」」
「ちょっと、手ぇ痛い……!」
現状にあって、もはや彼女の口は、恐怖をあおるマシンでしか無かった。
では、実際にそれを体現する望月本人は、どうなのか?
「んー……。 どうにも判らないなぁ。 やっぱり、本人に直接たずねるのが早いか……」
おそらく、彼女にとっては、恐怖心よりも探求心が勝るのだろう。
恐怖<興味。
そういった図式を保有する頭脳が・ハートが、身体を突き動かしているのだと思う。
さすがは、その道で知らない者なしと言われる有名人の孫娘だ。 度胸の座りかたが違う。




