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ホラーとは
「………………」
物言わぬロッカーが、無数にならび立つ靴ぬぎ場。
そこを抜けて、正面に横たわる廊下へと進む。
「うおぉ……!?」
「うぁ? 暗い。 暗いよ……?」
東西に伸びる廊下は、鈍重な静けさに満ち満ちていた。
生徒たちに取って代わり、我が物顔で居座る暗闇。
その中に、非常口を示す電灯がポツンと浮かんでいるのみで、正確な状況を把握することはできない。
暗がりの向こうから、いきなり何かが飛び出してきそうな。
心中の怖気が表したものだろうか。 いやな予感がする。
「まずは……、そだな。 やっぱり、生徒会室から行こうか?」
「おし! 行ってみようぜ!」
「ん……」
そんな怖気など、物ともせず。
懐中電灯のスイッチを入れた望月は、普段なら、決して立ち寄る筈のない目的地を宣言。
一同の先導をつとめる形で、ズンズンと進み始めた。




