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神祇 ─じんぎ─  作者: 高石童話本舗
さがしものと
83/1823

しゅうごう5

「………………」


もっとも憂慮(ゆうりょ)すべきなのは、その者に、邪悪な気配が無いか。


人間ではないものが、人間に対して牙を剥くこともある。


取り分け、いわゆる“魂のみ”の、身体を持たない連中に多い事例だ。


もっとも、それによって、大した実害を(こうむ)ることは無い。


せいぜい微熱だとか、倦怠感だとか。 体調に、わずかな変化をきたす程度である。


命の危機に(おちい)ることなど、まずあり得ない。


「………………」


ズンズンと先頭を行く、好奇心旺盛な背中。


“人間ではないものは、存在する”


その背中に、たった一言、そう告げればいい。


そうすれば、すべて片がつく。 わざわざ、危ない橋を渡らせずともよい。


しかし、(みずか)らの足で、真実を追ってこそ人間(ひと)なのだ。


自らの頭で、学習してこそ人間なのだ。


“外の空気は汚いから”と、家の中に子供を閉じ込める親はいない。


ただし、“もしも”の場合は、きちんと想定している。


もしも、何かしらの危険があるようなら、全身全霊で事にあたる。


みんなの安全が第一だ。


「お邪魔しまー……す」


そうこうする内。 一同は、校舎の中へ足を踏み入れた。

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