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しゅうごう2
「やっぱり、穂葉はダメだった? 怖いって?」
「うん。 ニンニク持ってビビってた」
「ニンニクっ!? ニンニクってオイ!? 吸血鬼まで出んの!? うちの学校!」
「え!? やー……? そんな話、聞いた覚えないよ?」
「興味深いな……」
本来ならもう一名、ここに加わるべき仲間のことを、親身になって気づかってくれる。
そんな一同に応じた後。 史は、ひとまず辺りへ視線を巡らせた。
広々としたグラウンドは、非常に静かなものである。
乾いた土の匂いが、かすかに足元から立ち上ってくる。
時おり通過していく車のヘッドライトが、高校の敷地を囲むフェンスの表面を、ゆるく撫で上げていった。
校門のそばに植えられた桜の樹木が、生ぬるい宵の風を受け、かすかに騒めいた。
枝ぶりに接する外灯の明かりが、よく繁った緑葉に散らされて、さわさわと明滅した。




