しゅうごう
「ねぇ? ホントに? ホントに行くの? てか、いいのかな? こっそり学校に忍び込んじゃって……」
高校のグラウンドにて。
参加者として集った四名のうち、珠衣が恐る恐る言った。
彼女らしい良識的な主張ではあったが、それとは裏腹に持ち合わせる冒険心を、幼なじみ達によって感化されている。
「なに? 怖じ気づいちゃった? らしくないなぁ!」
眼鏡のレンズに、外灯の味気ない明かりを這わせつつ、望月が楽しそうに応じた。
「なんかワクワクすんなーっ! 夜の学校に忍び込むとか、これぞ青春って感じじゃねぇ!?」
はやる内心を抑えきれない様子で、幸介が吼えた。
「うちの姉ちゃんがさ? よく言うんだよなー。 “高校時代に戻りたい”って。 こういう事なんだなぁ、たぶん!」
こちらもまた、楽しいことが大好きなクラスメートである。
幼なじみのお誘いに、何の躊躇いもなく即答したのが、ちょうど今朝のこと。
授業が開始されようかという、間際のことである。
「えー? でも、大学生って楽しそうだよ?」
「なんつーの? 姉ちゃんが言うにはさ? あんまり自由過ぎて、学生やってるって気分にならないんだって! 贅沢だよなぁ!」
しかし、妙に多弁なのも気になるし、“青春”の二文字が、彼の口から飛び出すとは思わなかった。
態度・口調とは裏腹に、やはり内心のほうは、随分と緊張しているのだと思う。
他でもない。 このハイテンションだ。
基本的に、口数の多い幸介ではあるが、それらの様子から、彼の心中を察するのは容易なことだった。




