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どうするんです?
「……史さまはどうするんです?」
「俺? 俺は行くよ? ほれ、不測の事態に備えて、みたいな感じで」
「なるほど……」
夕食の時間である。
種々の料理が並ぶ食卓にて、右手にお箸を・左手に“お守り”を。
万全の体制を整えつつ、真向かいの定位置より、穂葉がおずおずと上目づかいを呈してきた。
「気をつけて下さいね? なにかあっても、たぶん助けに行けませんから……。 や、頑張ってみますけど」
「うん。 大丈夫大丈夫。 心配しなくても」
この後に控えた予定に際して、史の役割は、一点のみだった。
一同の安全確保と、非常時の庇いだて。
「大丈夫だから、一緒に行こよ? ほら、留守番も退屈──」
「いやだ!!!」
「あい……?」
「好きなんですよ!? お留守番!」
「おぉ……? ん。 じゃあ、頼むな? 留守番」
「はい!」
俄かにバタつく家族の様子を眺めつつ、おかずの一品を口に運ぶ。
「ん。 おいしい」
「うん! ホクホクしてますね?この長いも!」
本日の献立は、先述のとおり和食である。
特に、いつも和食が主体というわけではない。
穂葉が保管するレシピ集には、飽きのこない工夫で、和洋が散りばめられている。
ともあれ、和食は二名とも大好きなので、どちらかと言えば、その割合は多いかも知れない。




