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どうするの? 2
そんな、ある種居たたまれない模様を想起しつつ、ダメ元で訊ねることにする。
「や、だからさ? 例のお化け? そいつの正体を調べようって──」
「!!!!!!!」
皆まで言う必要はなかった。
「あれ? 穂葉ー?」
「………………」
やにわに、細い肩がビクリと持ち上げた穂葉は、ノロノロと体の向きを転じてみせた。
先程と同じく、手元のまな板と向き合う格好だ。
「………………」
次いで、小首をコクリと揺すってみせる。
「うん? 穂葉……?」
そうして、料理皿を両手に持つ史と、不可解な疑問の押しつけ合いを演じたのも束の間。
「………………!」
打たれたように、冷蔵庫をゴソゴソやり始めた。
「あった! よかったー」
「あ? なにそれ?」
「お守りです! 魔よけ!!」
程なくして、カウンターの向こうに“ひょっこり”と覗いた穂葉の表情は、悲喜が交々(こもごも)に入り乱れた、じつに悲壮なものだった。
「ニンニクが?」
「ニンニクが!」
その胸元には、ひどく限定的なお守りが握りしめられており。
藁にもすがる思いというのだろうか。
その心中を慮るには、余りあるものだった。




