しりたくて
「何か、難しい話?」
「うん?」
俄に沈黙する友人の元から、視線を移した望月は、声のほうを向いて、眼鏡を正した。
「や、ぜんぜん難しくないよ? すごく簡単」
「そなの?」
「珠衣ちゃん、もう少しだけ……っ。 離れないでぇぇぇっ!!!」
「えー? もうー。 しょうがないなぁ、穂葉は!」
果たして、そこには珠衣と穂葉。 同じく、通学路を歩む二名がいたわけだった。
片や、きょとんとした様子で。 片や、恐々とした様子で。
彼女たちもまた、当の話題に合流した。
いや。 そもそも、この話題を提供したのは珠衣であって、“合流”という言い方にも、多少の語弊がある。
自分でまいた種くらい、ちゃんと面倒をみて欲しいものだった。
まったく、この幼なじみには──、タマちゃんには、困ったものである。
「よしよし。 大丈夫だよ穂葉っ? なにをそんなに怖がることがあるんだい?」
「だって……、怖いものは怖いんだもん……」
「ぬぁっ? もっかい! もっかい言って!?」
「……怖いものは、怖いんですよぉ!」
「おぉ……!?」
あぁ。 ほのっちの介抱に専念していたのか。 それじゃ仕方がない。
「もっかい! もっかい言って!?」
「え……っ? や……、あのー……、怖いものは、怖いんだもん?」
「うーん!」
何事に対しても、一生懸命な幼なじみである。
あと、日常にひそむ“カワイイもの”を探知する能力にかけては、非常に長けた幼なじみである。
「も、もっかい! もっかいだけ!!!」
「…珠衣ちゃん、なんで息が……? どうして、そんなにハァハァ言ってるんです……?」
ともすれば、気の利いた介抱とて、いつもの空回りが祟った現在となっては、彼女の独壇場に成り果てているわけだ。
それに付き合わされる“ほのっち”には、本当に同情の念が尽きない。




