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花影
「興味深いな……」
静聴を終えた望月が、ひと声うなってみせた。
片方の腕に、相変わらず珠衣の手を結んだまま、後続の史へと、声をかける。
「史はどう思う?」
「ん? なにがね?」
「や。 いまの話。 史の見立てだと、どういう可能性があると思う?」
そんな質問に対し、ぼんやりと霧のかかる頭を切り替えながら、史はとりあえず、思案を置くことに。
どのような応えを用意すべきか?
望月が訊ねている事柄は、じつに簡潔だ。
“人間ではないもの”は、存在するのか?
もちろん。 史自身、そういった存在にカテゴライズされるわけだし、他の神々だって同様だろう。
ともすれば、それを除いた上での話。
史たちの他にもまだ、“人間ではないもの”と呼べる連中は、存在するのか。
その問いかけに対する答えは、もちろん在る。
じつに明確なため、すぐにでも用意することが出来る。
「さあなー……?」
しかし、喉まで出かかった解答を、ふと引き留めた史は、曖昧に応じた。
「まぁ……、どうだろな?」
「うん? それは、史でも判らないっていうことかな? それとも──」
世の中には、真実というものがある。
往々にして、現世の核心に食らいつく真実だ。




