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神祇 ─じんぎ─  作者: 高石童話本舗
さがしものと
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57/1823

だんらん3


「今日はなにを見ます?」


「んー? テレビ?」


「ん! テレビー!!」


夕食を終え、それぞれ入浴タイムを経た後のことだ。


リビングに設けられたソファーにて。 ゆったりと身体を(くつろ)げながら、穂葉が(たず)ねかけた。


視線の先には、果たして史がいる。


冷えたお茶で、風呂上がりの(ほて)りを解消しようと思ったのか。


ちょうど、ダイニングに併設のキッチンへと、消えていく所だった。


「なんでもいいよ? 穂葉の見たいのでいいし。 てか、どんな番組があるの? 今日」


「んー……? そーねぇ。 何か、おもしろそうなのは───」


応じつつ、手元の夕刊テレビ欄へと、生真面目(きまじめ)な瞳を這わせる。


「はっ!!?」


そうして、穂葉は唐突に息を呑んだ。


「は……っ! ふわぁぁ……っ!?」


全身が総毛立ち、心臓が跳ね上がる。


理由は明白だった。


テレビ欄に発見した番組名──、あるテレビ局が、今まさに放送中の番組名だ。


それを、見つけてしまったから。


「………………」


戦慄の(まなこ)で、彼女が見つめる先。


番組表(そこ)には、他局と変わらず、味気のない字面があるのみだった。


けれども、視聴者に対する()ぞましい挑戦状を、デカデカとぶち上げていた。


“夏も近づく、最恐ホラー特集”


「あ? どうしたよ? 変な声出して」


「なっ!? なんでも無いですよ!!?」


「そーお?」


おかしい。


あの()は、何に対して、あれほど慌てているのか。


というより、なにを恐れているのか。


「どしたん? あ! あれか? 虫でも出たか!?」


“ビリっ!”


「は……?」


“グシャグシャっ!”


とりあえず、理由になりそうなものを挙げながら、麦茶のボトルを冷蔵庫に戻した所、史は奇妙な音を聞いた。


なにか、ものを破って丸めるような。


「え? なに破って───」


「なんでもないです!」


「や。 なんでもない事ないだろ?」


「なんでもないんですっ!!!」


「はぁ……」


声だけとは言え、充分な迫力だ。


それに気圧(けお)されつつ、ともあれリビングへ。


「なんにも無いですよ! 今日は! 残念残念ですよっ!!」


「そっかー」


ソファーにひとり。 なぜだか、非常に呼吸(いき)の乱れる家族の様子が気に掛かる。


別段、リビングに変わったところは見受けられない。


この時期になると現れる、“ヤツ”の姿もない様子だった。

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