だんらん2
「お、おかしいよっ! おかしいですよ!!!」
「なにがおかしいと言うのかね……?」
「お化けなんていないもんっ!!! あんなものは、酔っぱらいの戯言だって教わりましたもん!!!!」
「酔っぱらいはウソをつきませんよ……?」
「う……? そう! 幻覚! 幻覚ですよ!! すべては夢幻ですよ!! 信長さんだって、そう言って踊ってましたもん!!!」
「う? 昨日の、時代劇で……?」
「そう! 時代劇で!!!」
こんな醜態を晒してしまうほど、怪談の類には、滅法弱い。
それはもう、めちゃくちゃ弱い。
「うんうん! 感動的だったよね? あの場面はなぁ……。 ちょっと泣いちゃったもん。 私!」
「ですよねっ? 色んな役者さんが演じてるけど、どれも感動的ですよね!?」
当面の話題を、すっかり忘れ果ててしまったのか。 いつもの調子へと、カラリと一転。
穂葉のペースに乗せられる珠衣は、本当に素直というか、屈託がない。
けれど、それも束の間。
「あっ!? そうじゃないよ! お化けの話だった! いまはお化けの話をしてるんだよっ?」
「はあぁぁぁぁ……」
さしあたっての話題を、すぐに思い出して、穂葉の盛大なため息を誘った。
「お化けかー……」
そんな二名の背中を眺めつつ、ぼんやりとあくびを吐き出した史は、あれは一昨日のことだったろうか。
その日の夜。 自宅で繰り広げられた“家族団欒”の光景を、やにわに想起した。




