表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神祇 ─じんぎ─  作者: 高石童話本舗
なつやすみ
515/1823

できること

「う……っ?」


対する白蛇は、なにも動じていなかった。


長大な尻尾が、またしても風雨を薙ぐ。


列車のような質量をしたそれが、落下の途中にあった史の身体を、難なく飲み込んだ。


目の覚める衝撃が、雨模様の町並みにひた走った。


「こンのぉ……ッ!」


住宅街の中ほどに設けられた手狭な公園。


図らずも、史の身体を受け止めた滑り台が、惨たる有り様に変貌した。


「ナメてんのか!? この野郎ッ!!!」


苛立(いらだ)ちまぎれに、その残骸を蹴り飛ばす。


途端に、そんな行いを恥じて、頭を冷やす。


“神足通”をつかって、白蛇のもとへとって返す。


「……白橋!」


ふたたび眼下に五体をさらし、燃え立つ玉石を、まっすぐに見据えてやる。


「もう、いい加減にしてくれよ……。 頼むから」


真紅色の双眸(そうぼう)は、なにも応じない。


先頃から変わらず、顕著な敵意のみが、メラメラと在るのみだった。


「頼むから……」


前髪から垂れてくる雨粒が、ひどく(わずら)わしかった。


けれども、真摯(しんし)な眼差しを(おびや)かすには至らない。


「もういいだろ? な?」


彼の──、白橋の思いはよく解る。


何に対して怒っているのか。


なにが(ゆる)せないのか。


痛いほどよく判る。


「きっと、なんとかするから。 俺が。 お前の思うように……。 きっと、なんとかしてみせるから」


完全に安請け合いだとは思う。


彼のために何ができるのか。 何をしてやれるのか。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ