↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
神祇 ─じんぎ─  作者: 高石童話本舗
さがしものと
PR
50/1823

ろじうらで2

梅雨のなかば。 湿気が鬱々と体に(まと)わりつく。


それをなるべく然有(さあ)らぬよう心がけ、少女のもとへ歩みを寄せる。


「………………」


その“正体”に関して、突き詰めることにする。


史とて“カミ”であり、全能に等しくはあるが、全知ではない。


「うむ……」


向こう4~5mほど先。 前方に(たたず)む対象者の様子・容貌を観察し、熟考する。


何者だろう?


「………………」


双方の距離は、早くも縮まりつつあった。


残すところ、数十歩にも満たない距離を挟んで、少女はひたすら(たたず)んでいるのみだった。


何をするでもなく。 対抗者の到来を、待ち構えている(ふう)でもなく。


ただ、ぼんやり・ふわふわ。


「………………」


やがて、双方の間に横たわった距離は、もはや皆無に等しく。 互いに、目と鼻の先に到達した。


手を伸ばせば、略々とその身に触れることが可能な、近接した立ち位置だ。


「…………?」


そこで、史はわずかに小首を(かし)げ、怪訝(けげん)な表情を浮かべた。


彼女が人間でないということは、いち早く理解することが出来た。


しかし、正体が判然としない。


如何(いか)に思考を巡らそうとも・過去の経験を、照らし合わせてみても、明確なものが、微々(びび)として浮かんで来ないのだ。


妖怪の(たぐい)とは違う。


ただ、“人間(ひと)ではないもの”


其方(そなた)……」


そうこうする内。 “理”と“利”を考慮した末に、もはや不毛に等しい熟考を放棄。


現状で、もっとも理に(かな)い、尚かつ、利するところの大きな方策へと、指針を転換することに。


つまりは、少女に直接、口を使って(たず)ねることにした。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。