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神祇 ─じんぎ─  作者: 高石童話本舗
あらかじめ
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20/1823

あの頃の20

「ほら。 遊んであげますから───」


彼女のセリフを待たず、喜び勇んだザリガメが、私たちの頭上を越えて行った。


「うわぁ…………」


あとはもう、“しっちゃかめっちゃか”を絵に描いたような乱騒ぎである。


「お!? あなた、なかなか可愛いじゃないですか!」


「ショアァァ!!!」


「よく見ると。 ん!? なんて言ってるんです?」


「ショア!」


「は???」


「ショア! ショア!!!」


「だから! 分かんないっ()ってんでしょーよッ!!!」


自身に飛びかかってくる巨体を()なし、“庖丁”の刃をチャキリと峰に返す。


そんな、刀剣の泣き所を使って、特に甲殻が厚く備わっている部位へと、コツンと打撃をくれてやる。



「あなた達も! 混じりません……っ、か!? 楽しい! ですよ!?」


「や!? やめとく! やめときあす!!」


「そっかー………」


見たままに表せば、ちょうどカウガールか。


勇胆にもロデオをこなす女性さながら、ザリガメの背中にしがみつく彼女。



「ほら! これ、ボール! ボールの代わり!!」


「キシャ!! キシャッ!!!」


「ほらほら~? 欲しい? 欲しいです?」


「シャシャ! シャ!!」


「むりゃあぁぁッ!!! よし! 取ってきなさーい!」


「キシャアァァ!!!」


折しも、園内で(さび)れる夏枯れの古木。 それを“庖丁”でバッサリと()り取り、遠くへブン投げる。

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