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あの頃の18
腰部に現れた胡禄から、一条の矢をつかみ出す。
黒髪を“しゃらり”と揺すり、矢筈を弓に番える。
緩急一致の挙動で、かたい弦を引きしぼる。
鏃の向こうに、標的を置く。
狙い目は、甲殻のない鼻先。
「………………」
そこで、ふたたび逡巡が生じた。
殺るのは易い。
でも、それだと余りに情けがない。
子どもたちの視線もある。
「うん…………」
気づくと、力の萎えた両手から、実体を損なった神器が、ちょうど失せてゆく処だった。
話の通じない相手って、きっといると思うんですよ。
でも……、だからといって、暴力に頼るのは得策じゃない。
えぇ。 私が言うのも、アレですけどね…………?
反省してます。 ホントに。




