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<90> ユーナスに地球の文化

 太郎とリサは、伯爵を通して王様に会い、球団をそれぞれの貴族が持つことを提案した。タブレットを二十台持って行き野球の映像を王様に見せながら、解説をした。もちろん太郎はどちらのチームが勝つかわかっていたので、王様に勝つチームを応援するよう伝えた。王様には試合の結果を伝えていない。


「王様、今王様が応援するチームの投手がボールを投げるところですが、基本的にはストライクゾーンと呼ばれているところを通過しないとカウントが稼げません。ストライクゾーンはこの白い五角形の本塁ベース上を通過する必要があります。上限と下限が決まっていて、下は膝頭の下です。上は、ややこしいんですが、肩とズボンの上の部分の中間点です」


 画面上の投手が投げて、バッターが様子見をし、投げたボールがキャッチャーミットに入った。バシーンといい音が出た。判定はストライクだった。


「王様、ストライクを3回取れば投手の勝ちで、ストライクが入らなかったらボールなんですが、ボールの判定4回で投手の負けです。ちなみにストライクゾーンに入らなかった場合でも、バットを振ってボールに当たらなかったらストライクの判定になります」


 次に投げたボールを打者が打った。そのボールはセカンドゴロとなりアウトとなった。


「このように打たれても、味方のチームが取ってくれれば投手の勝ちなんです」


 こんな感じで一試合分をじっくりと太郎は解説した。途中まで王様の応援するチームが負けていたが、逆転したり逆転されたりで、王様も途中から「打て!」 とか 応援しているチームがボールを落とすと「ああもう!」 とか言って力を込めて見ている。


 最後に逆転さよならホームランで応援しているチームが勝って終わった時に、王様は実に面白いと言って理解を示してくれた。早速ルカナンの貴族を呼んで貴族たちにもそれぞれタブレットを渡し、野球の解説をしたところ、自分も球団を持ちたいという貴族が六名もいた。


 これで、六つのプロ野球球団が作られることになり、早速野球の道具を必要なだけ提供する約束をした。


 野球のルールに関しては、監督を引き受けてくれることになった人たちに意思疎通の魔法を使いユーナスの言語をマスターさせて、対応してもらう。


 厳しい訓練が始まるが、それまで肉体労働をしてきた者たちなので、体が丈夫であり、持久力も充分にある人たちが集められている。厳しく訓練しても弱音を吐くような者はいないだろう。


 六つの球団で三カ月後には試合を行うことになった。ユーナスで初の試合である。


 太郎は、練習風景は無料で見ることはできるが、試合はチケットを販売し、野球を見やすい席ほど料金が高くなるよう設定することを提案した。野球にはユニフォームを必要とし、同じチームであることを印象付けるようにする。そして、応援団を作り、チームを盛り上げることも大切だ。


 イケメンの選手や美人の選手など、人気の出そうな選手も結構いるので、魔法で写真を複製し、試合会場の近くの店で販売してもらうことにした。野球のチケットを販売する店ではチケットだけでなく、さまざまな野球商品も販売してもらうのだ。


 野球のチケットの販売を行ったところ、はじめは誰も買わなかったのだが、野球のルールを教えて子供たちに野球をやらせてみたところ、その子供たちの野球の試合を見た大人たちが、野球のルールを覚えて野球の面白さを理解すると、プロの試合も見てみたいということになってきた。


 それで、気に入った球団を決めてからチケットを購入することをお勧めする。ルカナンの六百以上ある掲示板にポスターを貼ってそれぞれの球団の特徴がわかるようにする。すると自宅から近い球団という理由で自分の好きなチームを選ぶ人が多かった。初めのうちはそれでいいと思う。


 チケットが少しずつ売れ始めて、この様子なら三カ月後には完売しているだろう。


 野球をする子供たちが増えてきた。バットとグローブは複製魔法で増やしたものなので、手軽な金額で買えるようになっている。ユニフォームも、複製して提供している。子供用は安く提供するのだ。子供を宣伝に使い、野球の知名度を上げる。子供が野球を始めればその親も見るので、自然と野球を知ることになる。


 まず、野球を定着させて、それから将棋とか麻雀、サッカーやゴルフなども広めるのだ。あと、スマートフォンの代わりになる物を開発中で魔法で何とかできないかラケルに無茶振りをしてみた。


 駄目元で言ってみただけなのだか、魔石の結晶を使えば何とかなるかもと真剣に悩んでいた。ひょっとしたら何とかなるかもしれない。


 そうしているうちに、時間が過ぎて地球に戻る時間となってきた。太郎とリサは、カイトから今後の計画を聞いていたため、それほど深刻ではなくなっていた。それで野球のことや、その他のことを考えて対応していたのだ。心配だったら何もできなかったろう。

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