<77> アル・カポネと愉快な仲間たち
トニー・アッカルドは悩んでいた。
最近、仲間の活動がことごとく失敗しているので、かなり焦ってもいた。トニーは部下の一人から報告を聞いた。
『どうやら、ファミルというやつが原因らしいです。部下からの報告で、ファミルがテレビで放映されており、それによれば事件の裏でファミルが活動の邪魔をしているそうです。そして、ファミルの中にはナンシーという霊が入っていて、こいつの演技力が厄介らしく悪霊だったやつが改心していると……申し訳ございません』
『なんてこった。これじゃ百万人どころじゃない。そのファミルというのは、何とかならないのか』
『この前、情報を得て腕の立つのを五十人送りましたが、あっさり返り討ちされました。レイガさんの情報では五十人は必要だと言われ、その人数を集めて送りました。正直なところ、一人に対して五十人も必要なのかと、半信半疑だったんです。ところが、その五十人では足りず、次の作戦をどうしようかと。本当に困りました』
『腕の立つのを五十人で足りない? なんなんだそいつは。どうすれば勝てる』
『次は百人にマシンガンを持たせて、全員で襲う……ぐらいでしょうか……。実は噂ですが、ライフルの弾を受けて無傷だったという報告もあります。これはさすがに嘘だとは思いますが、また、マシンガンの弾を避けたという噂もあります。もし、百人がマシンガンを持ってファミルを襲ったとして、逆にやられるようなことがあれば、もう、私たちにはファミルを倒す方法がありません』
『その映像を見ることはできるか? ボスにも報告したい』
『はい。部下に準備させます』
そして、トニーは部下たちとアル・カポネに報告に行った。
アル・カポネは映像を見た。そして絶句した。なにしろ、一つ目の映像ではライフルを避け、また、避けられない弾を受けるも無傷。次の映像では、マシンガンの弾を避け、さらに次の映像では五十人の男たちを三分もかからずに倒してしまった。それに、怪我をしてもすぐ回復してしまうのだ。こんな存在に対して、戦いを挑むのは無謀だ。それでアル・カポネは言った。
『ファミルを相手にするのはやめろ。別の手段があるだろう?』
部下たちは考えた。そしてトニーが思いついて言った。
『わかりました。つまり、ファミルの知っている人を人質にして、脅して身動きを取れなくする。そしてその状況でファミルを殺すということですね。さすがはボス。その手は思いつきませんでした』
アル・カポネはそうではなく、ファミルを相手にするようなことは一切するなと言いたかったのだ。ファミルの知り合いを人質にするような刺激をファミルに与えられては困る。
アル・カポネは止めさせようとして言った。
『人質になるような人はいるのか? 中途半端なやつを人質にしても逆効果だ』
それに対して、部下の一人が答えた。
『それなら大丈夫です。リサとタロウというやつのためなら、抵抗できないはずです』
アル・カポネは、そうじゃない。ファミルの知り合いを人質に取るような危ないまねはよせと言ってるんだと心の中で思いつつ言った。
『絶対に大丈夫なんだろうな。失敗は許されないぞ』
『はい。では早速行って来ます』
と言って、全員素早く行ってしまった。
残されたアル・カポネは言った。
『そうじゃない。……そうじゃないんだ』
アル・カポネはレイガを呼んだ。この状況を相談するためである。なにしろ、他の部下たちは、最後まで話を聞かずに行動してしまうので、制御できない。しかし、レイガだけは、最後まで話を聞いた上で的確な指示をしてくれるということで信用していたのだ。




