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45/100

<45> ファミル、テレビ出演のための本番の前編

 とうとう、今日は撮影日だ。私は、ナンシーと入れ替わり撮影本番に臨む。


 良い成績を出すためではなく、良すぎる成績を出さないよう、ナンシーに調整してもらうのだ。

 私がやると、うまく調整できない。


 ナンシーは、その点がとても上手だ。


 私の出番は最後。しかもステージが三つあって、ステージ二までは、通過するのにトップにすらならない絶妙なところを狙う。


 番組を盛り上げるためのようだ。


「ナンシー、頼んじゃって悪いけどよろしくね」


『大丈夫。ファミルは見ているだけでいいから』


「ん、助かる」


 そうして、私は今日は頑張らない。頑張ったら台無しだから。それにしても、他の出演者はみんな頑張ってるな。あの人は……、駄目だったか。意外とステージ1を通過するだけでも合格者が少ないものなんだな。


 おお、合格者が出た。


 ステージ一は、トータル二分以内に通過が必要だ。水中に浮いた何本もの丸太の上を落ちないように二十メートル走る。


 その後に四メートル先までジャンプ。ここでの跳躍力が足りないと水中に落ちる。また、跳躍した先が滑りやすくなっており、転ぶと五十メートル先にあるゲートに間に合わない。残り時間一分の時点で閉じてしまうからだ。


 そのゲートを無事通過したとしても、最後の難関が六十キロの人形を持ってゴールまで走る。ここでの脱落者がかなり多い。四百メートル先にあるゴールのボタンを押し、カウントダウンを止めないといけないが、六十キロの人形を持って走るのは難しい。四百メートルどころか普通は百メートルすら一分以上かかるという。


 ステージ一のトータルを二分以内で通過できる者など、十人中二人ぐらいなのだ。


 私たちは、ステージ一で、現在のトップが一分五十一秒だったので、一分五十二秒で通過した。まだトップになって目立ってはいけない。


 ステージ二は、さらに複雑さと困難さを極めたステージだ。


 私とナンシー以外に通過できる者がいるのだろうか……。

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