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第二十六話 2日目の朝

「ワンワンワン」


朝だよ。みんな疲れたのかよく寝ている。

カレンは、疲れ知らずで朝から、テントの中に向いて「起きろよー」って吠えている。


「よーし、皆揃ったね。ラジオ体操第1から行ってみよう」


俺がリード役で、ラジオ体操を進めた。そう第3まで。


清々しい朝だ。

改めて、周囲と遠くを見ると、昔ビジネスで滞在した北海道の美瑛を思い出した。

遠くには雪をいただく山々が見える。その手前は草原と森だ。後ろも草原が続いており、その先は深い森のようだ。

ワン公を連れて5分ほど下ったところの泉に行って、顔を洗った。

ワン公は、ちゃんと仕事をしているよ。子供たちの面倒をよく見ている。

やんちゃなサトシは、目を離すとすぐどこかへ行く癖がある。カレンが目ざとく後ろを付いてゆき、あまり遠くなると牧羊犬のようにサトシをテントの方に追い込んでくる。


サトシは羊かよ? とイチローが呟いた。

今日は、休日で自由にして良い日。昨日は疲れたからね。


イチローとサトシとカレンは、草原の向こうに走って行った。

大宮君は、泉の周りをうろついている。

ユウは、森の入り口で佇んでいる。


そして。俺はテントの前で船を漕いでいる。


「ジージー、おいしいもの・・・・ジージー・・・」とココロが俺を揺さぶる。

ココロと初めて会った当時は、骨かと思うほどに痩せこけていたが、今はふっくらとしている。

柔らかい小さな手が、老いたカサカサの手の上を撫でる。暖かい小さな手。

ひょっとしたら、『お迎えかも?』と手を伸ばしたところで、まどろみが終わった。


手の先には、ココロが不思議そうにこちらを覗き込んでいる。


「ジージー・・・大丈夫?」

「あぁぁ・・、思わずお迎えに応えるところだったよ」

「お迎えって?・・・」


「よし! ホットケーキを焼こうか?」

「・・・うれし・・・」


材料は、荷車に積んできたよお。子供も大人もホットケーキは大好きだ。あのハチミツをとろりっとかけた、甘くて柔らかいホットケーキ。


テーブルにお皿を6つとフォークを並べた。その上にホットケーキを載せてゆく。

よし、出来た。カレンにもね。


集合の合図 カーンカーン 休み カーンカーン 休み と板を鳴らした。


来た来た。

「良い匂いだね」と大宮君。

「やったー、ホットケーキだ」


ゆったりとした時間が流れてゆく。

2日目。

ここは、どこなのか?

肌をなでる澄んだ空気

気まぐれに形を変える白い雲

そよ風にゆれる足元の草や木々


ひらひらと舞い踊る蝶も

風を切るトンボも

葉の陰で息をひそめるカマキリも

みんな、見慣れた景色だ


見上げた青い空には輝く太陽が、みっつ。

この世界で、とにかく生きていこう。

まだ、サバイバル2日目だよ。

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