第二十五話 これからのことを話し合う
「さて、ここで解散しても一人では生活できないと思う。これまで通り、このチームで、サバイバル訓練を活かして、この地で生きてゆきたいと思うが、どうかな?」
「「「異議なし。これからもよろしく」」」
特に異論もないので、訓練のときの分担で当面やってゆくことになった。
(異論を挟むとややこしくなるので、作者としては順当に進めたい)
少年イチローと少女ユウはテントを張る係。
男性用と女性用、共同用(談話、食事など)の3つを立てた。金属は一切使っていない。カーボンファイパーの支柱と骨、ペグは高ポリマー材で鉄並みの強度のものを用意してきた。
一方、サトシとココロは大宮さんのもとで荷物の整理。
俺は周囲にロープを張って鳴子を取り付けた。これで予期せぬものを早めに検知できるかも?
愛犬のカレンが、まず警戒してくれるので、まあ保険。
持ってきた水もいずれ尽きる。水の確保は最優先だ。
右の方に窪みが見えたので、カレンを連れて行ってみると小さな池があった。水は池の底から湧き出ている。
そうそう、カレンにはリードは無いよ。その辺を自由に走り回っているか、誰かの側に付いている。
時々、耳をピコピコと動かして、周りの気を配っている風に見える。
飲めるだろうか? ひと掬いして口に含むと、『美味い』と声が漏れた。
「おいおい、カレンよ、お腹を壊すよ」
カレンが、横でがぶ飲みしている。
しかし、生水は注意が必要。サバイバルの手引き通り、煮沸して飲むようにする。
空に見えた3つの太陽が地平線へと近づいている。
周囲を探索した限りでは猛獣の類はいないようだ。しかし夜は小宮くんと交替で夜警をしなくてはね。
カレンが居るので、寂しくはない。
「ワウ!」
アルミ製の鍋でお湯を沸かし、レトルトのカレーとパック入りのご飯。野菜サラダにミニトマト。
唯一金属で通過できたものはアルミニウム製なのだ。
お皿もコップもアルミ製を容易した。
食べた後は、少し話をして就寝することになった。
「大宮さん、二人で夜警をしたいけれど、どちらがいいかな? おれは早起きが得意なので後ろの方でも良いよ」
「そうね、それじゃ私が起きているわね。2時ごろに起こすので良い?」
俺は、船を漕ぎ出したサトシを抱えて、テントに入った。今日一日、大変だったな。まあ引き続き生きられたことは神様に感謝だね。サトシもココロも良い子だ。
夜中の2時。
ぼーっと、星空を見ているとハジメが起きてきた。
「この星は、私たちを受け入れてくれるかしら?」
「そうだね。きっと大丈夫だよ」
「サトシちゃん。今日は昼寝一時間ほどで10時間は起きている。治ったのかな?」
「うん・・・・じゃあ後をよろしく」
(新しい世界に到達した。見送りに集まった人々の思いのなかで、『きっと新天地を見てね』と祈ってくれた人々。無謀な潜入だと嘲笑っていた人々。我々と共感したいと思った人々など。今どうしているのだろうか? 再び顔を会わすこともないかな?。世界は変化している。立ち止まる人が多い中、我々は何気ない一歩を踏み出したのだ)




