第十五話 生き抜くための買い物
向こうに着いたら、そこが広い草原で、食べるものも飲む水も何もなかったら餓死する。
最低限の食料や、生活に必要なものを持ち込みたい。
手分けして、リストアップすることにした。
俺は、サバイバルグッズを中心に、大宮さんには衣食を中心にまとめてもらう。子どもたちは興味があるほうに参加してもらった。
3日後、再び集合してリストを整理し、大野さんが発注した。
10日後、入荷した資材を確認して、荷物を作ってゆく。包丁や鍋、フライパンなど鉄製のものは持って行けない。それに変わるものを大野さんが用意してくれた。包丁はセラミック製、鍋はアルミ製 ?ん。アルミはOKなのだ。
疑問に思っても解はないので、そのまま受け入れよう。
もう一つ重要なものとして、護身用の武器、狩猟用の武器、耕作に必要な鍬など。これらも、強化プラスチックやセラミックなどの代用品を揃えた。
「漫画本も載せてよー」
「ゲーム機はのらないの?」
「犬は警戒用にも癒しようにもなるわ。是非一匹は連れてゆきたいわね」
「お肉はたくさん持って行ってね」
「「わんこう・・・わんこうがほしい」」と子供は、はしゃいでいる。
市中のペットショップでの調達はしない。やはり、即戦力になる訓練された犬が良い。
大野さんに相談したら、近くに警察犬の訓練所があるので寄ることになった。
訓練所には、広場があって、既に5匹ほどが訓練士の指導を受けていた。
犬舎には、さらに15匹ほどが寛いでおり、我々を見ると近寄ってきたり匂いを嗅いだり、可愛い。
いや、多くがセパードで、ゴールデンレトリバーとシベリアンハスキーがそれぞれ一匹居た。
犬舎の横の控室に入り込んで、もちろんお茶とお菓子は欠かさない。
しばらくすると、訓練士の人が5匹を連れてきて、我々の前に整列させた。
子供たちがかわるがわる撫でていた。5匹とも子供たちの目をまっすぐ見ており、適正だと思う。
「私はね。この子『カレン』をお勧めします。無駄な動きはせず、忠実です」と訓練士のお姉さんが押してきた。
「評価点は服従10点(合図や命令に素早く従うか)、足跡追及点8点(行方不明者の探索)、警戒・防衛評価9点(対象を威嚇・制圧できるか)などの評価では、手前味噌ですが大変優良です。ただし、難点が一つあって、それは尻尾が短いのです。本人も気にしているようなのです」
「まあ、それは我々にはマイナスにはならないね」
「次は、このシベリアンハスキーの『スノー』です。警察犬としての能力は高いのですが、ちょっと甘えん坊でやんちゃなところが問題ですかね」
と、5匹の照会が終わって、子供たちとの親和性を試しながら、品定めをした。
すぐには決められないので、数日通って親睦を深めた。
投票の結果、カレンに決まった。
カレンは警察犬にしては、愛嬌があって、子供の面倒をよく見る可愛い奴だ。
強化プラスチック製のリヤカーに、調達したものを積み込んでゆく。
カップ麺は子供たちに人気だ。
積み終わって、軽量したら250キログラムほどになっていた。大宮君とイチローの二人で押してもらったが、まあ、大丈夫のようだ。
一方、2週間のサバイバル訓練を計画し、実行した。
それぞれの役割と、修練を繰り返し行った。
潜った向こうが、真空の宇宙や水の中、毒ガス、酸素不足などならば全員即死亡。
それらは、考えても対策はできないので、端っからサバイバルの対象外だ。
地球と同じ空気があって地面がある、との大前提でサバイバル用の品を調達する。
まあ、大前提そのものが願望の塊と思うが、希望は持っておきたい。




