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キャナルの母の場合
娘の結婚式がこんなに盛大なものになるとは、生まれた時には思いもしなかった。
ちょっとボーッとしたところがあるかしら?と思っていたのに、とても頭の回転の早い子で、こちらの言うことの先読みが出来る子だった。
伏魔殿の話は本当に失敗だった。
王宮には入ってほしくなかったが、殿下に見初められては仕方がないことと私達は諦めたのにキャナルだけは諦めなかった。
子育ては難しいと今更ながらにまた思った。
キャナルなら、王宮に入っても人、エイデン殿下を使い上手くやっていくだろうと思える。
たかが子爵家。私達ではなんの後ろ盾にもなれない。
公爵家が後ろ盾になると申し入れてきたが、エイデン殿下がその実績を見てから後ろ盾と認めるかどうかを決めると仰っていた。
まずは実力を示せと言うことらしい。
その公爵家を結婚式に呼ばないのだから余程のことがあったのだろう。
母は娘の幸せを思う。
キャナルの場合
私達の結婚式は、民衆の前で行なわれる人前式である。
国民に認められて初めて成立する。
眼下に沢山の人が白い花を持って手を振ってくれている。
白い花は結婚に同意。赤い花は不同意になる。
1ヶ月前から赤い花は撤去され、白い花に植え替えられていたという。
動かせない赤い花には白い布が被せられているらしい。
私からはその様子は確認できない。
国民の前で国を守ることを誓い、互いを守り尊重することを誓った。
私の逃げ道はもうない。
エイデンの嬉しそうな顔に私も満足する。
盛大な拍手と歓声に手を振り、式は終わった。
エイデンの場合
ちょっと考えられないくらいにキャナルのドレス姿が可愛いんですけど!!
同じクラスのハスレを特等席に座らせた。
皆、不思議そうな顔をしていたが、私はハスレに幾枚ものキャナルの絵を描かせるのだ。
どんなシーンも見逃してはならないと言ってある。
ハスレは「私一人では心配なので他の方も配置して下さい」と言うので、師匠という人とその仲間達にも頼んだ。
後日、もう一度ウエディングドレスを着せて二人で並んだ絵も描いてもらうことになっている。
絵の完成が今から楽しみでならない。
ウエディングドレスを着てティアラを付けているキャナルは完璧以外のなにものでもない。
本当に美しい。
次回、完結です。




