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たかが子爵家のキャナル  作者: 瀬崎遊


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24/24

24 最終話

最終話です。

王妃の場合


 第一王子の結婚式が無事に終わり、パレードの準備が始まっている。


 オープンの馬車に乗り、永遠と思える時間、笑顔で手を振り続けなければらない。

 自分の時の事を思い出して、あれは拷問だったと涙がでた。


 オープンなためにちょっとした気の緩みも許されないのだ。 

 2〜3日は手が動かなくなる。

 心から可哀想だと思った。




王の場合

 

 エイデンとキャナルのパレードを王宮から眺める。

 本当に結婚までこれてよかったと思った。

 ベイゼルが隣で「次は私の番ですね。婚約者を早く決めてくださいね」と言った。

「エイデンとキャナルに選んでもらうのがいいと思うが?」

「よろしいのですか?」

「最終判断はわしがするが、探すのはエイデン達に任せたいと思う」

「では、そのように頼んで下さい」


 王妃が涙を拭っている。

 息子の結婚に思うところがあるのだろう。

 肩を優しく撫でて抱き寄せた。




ハスレの場合


 エイデン殿下に描いた絵を何枚か見せて欲しいと頼まれ、今まで描いた絵を見せました。

 殿下は満足気に頷き、結婚式の様子を絵にして欲しいと頼まれました。

 

 入場した時の様子、国民の前に出た時、宣誓を誓っている時、指輪を交換している時、それも殿下側とキャナル嬢側2枚・・・。

 瞬きのように描けと言われてしまいました。


 当分の間、城で暮らすようにとも言われました。

 私一人では不安だったので師匠、師匠のご友人方5人ほど、当分の間王城で暮らすことになります。

 殿下に当分とはどのくらいの期間か聞いたら、「10年か20年くらい?」と首を傾げていらっしゃいました。


 まさか、結婚式でどんなシーンでも一番美しく見える場所に誘導されるとは思いませんでした。

 パレードも御者席に座らされ、殿下達をずっと見せられるとは思いも寄りませんでした。



 すべてが終わって直ぐ、何十枚でもかまわないから描けと言われ、私達は潤沢な画材に囲まれて絵を描き続けました。



 王宮に住む私に、父が歩み寄りを見せてきました。

 これも殿下のおかげです。



 お子様が生まれた時にはそれは事細かにこのシーンで1枚、この角度で1枚と注文を受けました。


 お二人の絵を描き、それが3人になり、4人になり、5人になった時、殿下が王位を継承しました。


 その絵もたくさん描きました。

 殿下にはキャナル王妃の絵を描けと言われ、キャナル王妃には殿下の絵を描けと注文されてしまいます。


 師匠が亡くなり、新しい画家がやって来ました。

 殿下の注文に(しばら)く右往左往していましたが、2年もすると慣れていきました



 エイデン王は最後までキャナル王妃を愛し、逝ってしまわれました。


 王位は第二王子の王子アルタイア殿下が継がれました。



 第一王子は私の横で絵を描いています。


                                             Fin

お付き合いいただきありがとうございました。

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― 新着の感想 ―
[一言]  ハスレの人物像がよく分からんな家族と確執を持つぐらいに絵を傾倒してたけど絵さえ描ければ同じ被写体で満足するのようなタイプだったのかな?
[良い点] 完結おめでとうございます。 第一王子で絵の道に行く事を許されたのが、ほっこりです。この国ならば税金分の働きはさせられそうですけどね。
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