表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
たかが子爵家のキャナル  作者: 瀬崎遊


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

12/24

12

アリアルの場合 


 アリアルは学園に登校するために馬車に乗り込もうとするが、昨日の殿下の恐ろしい様子を思い出し乗り込めなかった。


 昨日、斬られた袖を見て家の者は絶句した。

 脱いだ服を見て、あぁ、腕を落とすことも本当に出来たのだと改めて気が付いた。


 今まで殿下の妻の座を射止めようと思っていたのに、何も知らなかった。


 キャナルが絡むとあんなに恐ろしい人になるのだとは知らなかった。

 暫く殿下に会うのは恐ろしい。

 学校に行きたくない。

 行ったら腕が無くなるかもしれない・・・。




ミスティアの場合


 ミスティアは満足していた。

 あの商人の従者は使えそうだと。

 金貨30枚をむしり取られたが、王妃になるためなら安いものだと思った。

 キャナルを始末することが叶ったら払った倍額のお金が必要になると言われたが、なんとかなるだろうと思っていた。


 始業式の日、キャナルと目があった。

 今までたかが子爵家の娘を気に掛けたこともなかった。

 どうしてあんな子が選ばれたのかしら?

 商人の従者が早く始末をつけてくれるのを心待ちにしていた。




エイデンの場合

 

 ミスティアなんて今まで私に関わってきたこともなかったのに急にキャナルを見るとは一体どういう事だろうか?

 勿論決まっている。

 キャナルの害になるなら排除するまでだ。


「アーティー、僕が公爵になっても付いてきてくれる?」

「王である方がより望ましいと思っております」

「じゃぁ、付いてきてくれないのかな?」

「どうでしょう?」

 クスリと笑われた。

 これはもう、付いてきてくれるってことだな。そう思っておこう。


「今日、アリアルに平手打ちされたんだ〜」

「それは、初体験ですね。私にお尻を叩かれたことはありましたか・・・」

「それは忘れてね」

「いえいえ、とてもいい思い出です」

「腕を切り落としてやろうかと思ったんだけどね」

「おや、珍しい」

「キャナルを叩こうとしたんだ」

「納得いたしました」


「アリアルはこれでもう何もしてこないと思っているんだけど、ミスティアが急にキャナルに絡みだしてきて」

「あぁ、ミスティア様は己が最上と思っておられますからね。殿下のことはなんとも思っていなくても、己の上に立つかもしれないキャナル様の事は許せないのでしょう」

「困ったちゃんだね〜ちょっと調べてくれる?」

「キャナル様のためならば」

「そこは私のためじゃないの?」

「私に相談なく殿下の未来を勝手に決めたことに怒っていますからねぇ・・・」

 思い出したのかアーティーが氷点下に入りそうだ。ここは逃げるが勝ちだな。




商人の従者の場合


 お貴族様の考えることは恐ろしいことだ。

 たかだか商人の従者ごときに子爵家のお嬢様をどうにかすることなんか出来るわけがない事がわからないのだろうか?

 まとまった金を貰ったのでこのまま逃げようと思う。


「ミスティア様は何をお望みだったのだ?」

「ここで言ってもいいでしょうか?」

「近くに寄れ。で、何だったんだ?」

「エイデン殿下の婚約者を、婚約者ではいられないようにして欲しいとのことでした」

「どういう意味だ?」

「殺しても、誘拐しても、犯してもいいので、二度と表を歩けないようにしろとのことです」


「そっ、そんな事したら死罪だけでは済まなくなるぞ」

「前金を渡されました」

「受け取ったのか?!」

「すいません」

「謝って済むような問題じゃないだろう?!」

「申し訳ありません」


「どうするつもりなんだ?」

「このまま逃げようかと・・・」

「逃げて暮らしていけるほど貰ったのか?」

「いえ、そこまでは。他所の国に行って暫く遊んで暮らせます」

「では隣国の支店で働くか?」

「よろしいですか?」

「わしは知らぬ存ぜぬだ」

 分け前をよこせということでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ