表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
24/73

第20話「接近――“違和感”が確信に変わる瞬間」


大学構内。


昼休みの喧騒の中、木乃香は一人で立っていた。


スマホには、いくつかの写真。


その中の一枚を、何度も見返している。


(やっぱり……)


視線の先。


みのりと潤一郎。


距離が、近すぎる。


偶然にしては近い。


知り合いにしては自然すぎる。


――でも。


決定的な“証拠”がない。


「木乃香ー!」


明日香の声。


「何見てんの?」


「いや……」


スマホを隠す。


「ちょっとね」


その時。


白濱恒星がやってくる。


「なぁ、例の件どう思う?」


「例の?」


「週刊誌のやつ」


その言葉に、木乃香の目がわずかに動く。


「まだ続いてるの?」


「らしい」


恒星は肩をすくめる。


「でも最近、大学の方は動きないよな」


「……いや」


木乃香は静かに言う。


「動いてる」


二人が振り返る。


「え?」


木乃香は視線を遠くに向ける。


その先に――潤一郎。


「最近さ」


ぽつりと呟く。


「この前より、行動が変わってる」


「ルートも、時間も」


明日香が首を傾げる。


「それって普通に警戒してるだけじゃない?」


「違う」


木乃香は即答する。


「“誰かに合わせてる”動き」


空気が少し変わる。


――同時刻。


別の建物。


「姉ちゃんが言ってた」


瀬名昴はスマホを見ながら呟く。


「潤一郎ってやつ、最近動きが不自然らしい」


「不自然?」


春奈が顔を上げる。


「うん」


「誰かに合わせてる感じがするって」


明巳が眉をひそめる。


「それって……」


「可能性は一つ」


昴は画面を閉じる。


「“守ってる何か”がある」


沈黙。


――再び大学。


木乃香は歩きながら考えていた。


(違和感は一つじゃない)


・同窓会の写真

・みのりとの距離

・潤一郎の動き

・そして――あの視線


全部が、一本の線で繋がりそうで繋がらない。


「ねぇ」


明日香が聞く。


「もしさ」


「もしって?」


「潤一郎くんがさ」


少し笑いながら。


「めっちゃすごい秘密持ってたらどうする?」


一瞬、空気が止まる。


木乃香は少しだけ黙る。


そして――


「たぶん」


静かに言う。


「もう、持ってる」


その言葉に、明日香が固まる。


「え?」


「気のせいじゃないよ」


木乃香の視線は真剣だった。


「“何かを隠してる人の動き”がする」


――その頃。


潤一郎は校舎の影で立ち止まっていた。


(……見られてる)


視線。


直接ではない。


でも、確実に“観察”されている感覚。


振り返る。


誰もいない。


「……気のせいか?」


だが違う。


これはもう、気のせいの領域ではない。


――夜。


みのりの部屋。


「そろそろ限界近いね」


みのりが静かに言う。


「……はい」


潤一郎も頷く。


「木乃香さん」


「気づいてる」


その言葉に、空気が重くなる。


「でも」


みのりは少しだけ微笑む。


「まだ“答え”には届いてない」


窓の外を見る。


「あと一歩」


「その一歩が、一番危ない」


潤一郎は拳を握る。


「どうしますか」


みのりは少しだけ間を置く。


そして――


「壊れないように守るしかないね」


静かな声。


でも強い。


――疑念は、確信に変わりかけている。


だがまだ。


“真実”には触れていない。


その一線の上で。


物語は、静かに揺れていた。  



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ