表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

PR
22/62

第18話「接触――週刊誌が“線”を繋ぎ始める日」


朝の大学キャンパス。


いつも通りの風景。


だが、潤一郎の視線だけは違っていた。


(……いる)


昨日までいなかった“違和感”。


視線の先。


キャンパス外のベンチに座る二人組。


スーツ姿。


スマホを見ながら、時折こちらを確認している。


――株式会社龍雷神・週刊誌部。


戸倉和喜と渡邊斗亜。


(来たか……)


背中に冷たいものが走る。


――同時刻。


「編集長、やっぱりあの大学です」


「確定?」


溝口朱鳥の声は冷静だった。


「みのりの出入り情報と一致してます」


「あと、例の男子大学生も」


渡邊がスマホを操作する。


「移動パターンも取れました」


「ふーん」


溝口は軽く笑う。


「“線”が繋がってきたわね」


――大学。


「潤一郎くん」


後ろから声。


振り返ると、木乃香だった。


「今日さ」


少しだけ顔を曇らせる。


「変な人いなかった?」


「え?」


「さっきから、外でずっと誰か見てる感じするんだけど」


(……気づいてる)


鋭い。


「気のせいじゃない?」


恒星が笑って流そうとする。


だが木乃香は首を振る。


「いや、あれは“見てる”」


その瞬間。


潤一郎のスマホが震える。


みのりからのメッセージ。


『今日、事務所前に週刊誌来てる』


(……同時か)


動きが一気に加速している。


――午後。


事務所前。


みのりはマネージャーと共に車へ向かっていた。


その瞬間。


「みのりさん!」


「少しだけお話を!」


戸倉と渡邊が一気に距離を詰める。


カメラが向く。


一瞬の緊張。


「何の取材ですか?」


マネージャーが即座に前に出る。


「プライベートの件で少し」


「お答えできません」


即拒否。


だが――


戸倉が一歩踏み込む。


「大学生の男性とお会いになっているという情報がありまして」


空気が止まる。


(……やばい)


みのりの表情が一瞬だけ揺れる。


しかし――


「事実無根です」


はっきりと言い切る。


その声はプロのそれだった。


「仕事とプライベートは分けています」


完璧な対応。


その間にマネージャーが車のドアを開ける。


「失礼します」


そのまま乗り込む。


車が発進する。


――回避。


ギリギリで、成立していた。


――大学。


潤一郎はスマホを握りしめていた。


(……今のは)


完全に“接触フェーズ”。


あと一歩で記事になる段階。


「まずいな……」


木乃香が呟く。


「本当に来てる」


「やっぱりただ事じゃないよ」


その目が潤一郎に向く。


「ねぇ」


「最近、何か隠してない?」


一瞬の沈黙。


周囲の音が遠くなる。


(……ここで崩れたら終わる)


だが――


「特にないよ」


即答。


表情も崩さない。


「ただの噂じゃない?」


軽く笑って見せる。


木乃香はしばらく見つめる。


――だが。


「……そう」


それ以上は踏み込まなかった。


――夜。


みのりの部屋。


「今日は危なかったね」


ソファに座りながら、みのりが言う。


「はい」


潤一郎も息を吐く。


「でも」


みのりは少しだけ微笑む。


「ちゃんと守れた」


「……ギリギリですけど」


「ギリギリでも勝ちは勝ち」


その言葉に、少しだけ救われる。


窓の外。


街の明かり。


そのどこかで、確実に動いている“目”。


「次は」


みのりが静かに言う。


「もっと踏み込んでくる」


その予感は、二人とも感じていた。


――週刊誌。


疑念。


大学。


すべてが一本の線になりつつある。


だがまだ。


真実には届かない。


それでも。


時間の問題だった。   



最後まで読んでくださり、ありがとうございます!

もしこの物語に少しでも「面白い!」と感じていただけたなら——


ブックマーク & 評価★5 をぜひお願いします!


その一つひとつが、次の章を書き進める力になります。

読者の皆さまの応援が、物語の未来を動かします。


「続きが気になる!」と思った方は、ぜひ、見逃さないようブックマークを!

皆さまの応援がある限り、次の物語はまだまだ紡がれていきます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ