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悪人は滅!冥界ポイント交換で人生イージーモード  作者: 仲田野 寿


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―――今日は休みだから、アーノちゃんと一緒にレースとか見に行こうかなーなんて考えていたら、部屋をドンドンッ!っと叩かれた。ノックするなら優しくしたらいいのに。


「おい! 今日は本家に行くから。聞いてる!?」

「えぇー。前から言っといてよ……。……わかった」


 休みの日に制服着たくないのになー。本家に行くのだけはわたしも一緒じゃないとだめらしいんだよなー。

 わたしが一緒の方が待遇いいからなー仕方ないね!

 あの人気合入れてるし、わざわざ機嫌悪くする意味もないから、返事だけして制服に着替える。


「アーノちゃん、買い物に行くのは今度になっちゃった、ごめんね。本家に行くけど一緒に来る? なんも面白くないとは思うから、ここでアニメ見ててもいいよ」

『あの、一緒、あの。行く』

「そっか。じゃあ一緒行こ。あんまり話せないかもだけど、ごめんね」


 アーノちゃんはこくりと頷くと服装を整えだした。

 こういう仕草がかわいいんだよなー。女子力高いよなー!

 うんうん、とほっこり見ながら自分の髪を梳かしていく。と、アーノちゃんがいそいそとやり始めてくれた。

 ああー、お世話されるの気持ちいいー! 千歳ちゃんダメ人間にランクアップしちゃうぅー!




―――本家はうちから歩いて十分くらいの距離だ。本家から離れたくなかったあの人が、家を近くに借りたらしい。


 「………」


 お互い無言で歩く。

 離婚したのはわたしのせいじゃないのになー。なのに、『お前が! いるから!! お前が!!』とか発狂してたっけな。

 男を顔で選ぶからそうなるんだぞ☆ なんて小学校高学年で思ってた千歳ちゃん、言わなかったけど。



―――居心地の悪すぎる旅路(早歩きしたから八分くらい)も終わって、本家に着いた。


「木原様、おひいさま、いらっしゃいまし」

「こんにちは、お邪魔しまーっす」


 あの人がなんか挨拶はじめたけど、すぐ家に入る。


「アーノちゃん中庭いこ? お花がきれいなんだよー」

『あの、花……。あの。好き』


 ここは中庭にきれいな桜があってね、四月のこの時期はまだ咲いているんだよねー。ソメイヨシノではなくて山桜だと思う。色も濃いしね。


 ほら、咲いてた。

 アーノちゃんがわぁって言って花の側に行ったのを見て、わたしは縁側に座る。アーノちゃんのローブにはリボンだけじゃなくてお花もつけてあげたいなー。


『ヒナコかえ?』

「ん? ヒナコ? わたし? 違うよ。わたしは千歳だよ。あなた誰? 迷子?」


  なんかおかっぱ頭の着物着てるかわいい女の子から話しかけられた。なんとなく座敷童子みたいな子。

 さらっさらのおかっぱの髪に、くりっくりのきらきらしたおっきな目、鼻筋が通っている小さめの鼻、白い肌に少し薄い唇の小さな口、かわいらしい赤い豪華な振袖を着てて、なんかほんとお人形さんみたいにかっわいい!!


『ヒナコじゃないのかえ? 似ておるの』

「うん? 迷子じゃないの? どこから来たの? てか着物かわいいね! お人形さんみたいねー!! 似合ってるしかわいいー座敷童子みたい」

『ほぉ! お主、わかっておるの! 千歳というのじゃな! この着物はな、代々続くこの鬼原家の一番良い反物を仕立ててもらったものでな! うんたらかんたらうんたらかんたら……』


 なんか着物のこと一生しゃべってるけど意味わからんどうしよ。まあかわいいからうんうん頷いておこ。

 アーノちゃんも戻ってきて、隣で一緒に頷いてくれている。いい子だ。


「……千歳? ここにいたのか? 誰と話してるんだ?」

「あ、おじさま。こんにちは。誰って、この子。座敷童子みたいなかわいい子。迷子じゃないの?」

『ワラワは迷子ではないぞ』


「誰もいないが……。座敷童子?」

「うん、着物着てるしおかっぱだから座敷童子みたいって。んで、ヒナコかって聞かれたけど、誰のことだろ? つかここにいるじゃん」


 座敷童子ちゃんを抱っこして撫でる。かわいいね!


 おじさまが、愕然とした顔でこっちを見ている。なにその顔。イケオジが台無しに!


「おじさま、イケオジなんだからさー。その顔はどうなん? ねー!」

『イケオジ? ほう? ヒナコに近しい匂いがするの。ヒナコの子か?』


「千歳……。座敷童子がここにいるのか?」

「え、見えないの? え? あれ? 君見えない子だったの? こんなに普通に触れるのに? って、あ、アーノちゃんもそうか。あ、じゃあ本物の座敷童子なんだー!? ええー、すごーい!! ええー! 座敷童子ってこんなにかわいいのー?」

『ふむ。気に入った。出ていこうと思っておったがやめた』


「誰かある! 座敷を用意せよ! 千歳、少しきちんと話そう。ヒナコというのはたしか曽お祖母様のお名前だ。こちらに来られるか? 童子様も一緒に」

「はー? なにその童子様って、かわいくなーい! それって種族名じゃないの? ねえねえ、君名前なんて言うの?」

『座敷童子としかわからぬ。ヒナコが童子様と呼んでおったのじゃ』

「ええー!? じゃあわたしが名前つけてあげるー! いいー? うん、んっと、うーん、今は春だから、で、桜がきれいだけど、簡単すぎ? ううーん、お天気が良くて、あったかい。小春はどうー? 小春ちゃん」

『うむ! 悪くないのじゃ!! ワラワは小春じゃ!!』


 おっと、ぎゅっと抱きしめられた。うんうん、小春ちゃん、気に入ってもらってよかったなー。かーわいい!

 と、アーノちゃんも抱き着いてきた。えー!? やきもち?? かわいいかよ!!


「おじさま、小春ちゃん気に入ってくれたよー!」

「そ、そうか……。よかったな……」


 恐ろしくひきつった顔をしておじさまは頭を抱えていた。



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