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―――立派なお座敷に連れてこられた。
うん、「千歳、いいから来なさい」とか言われてさー、かなり慌てて連れてこられたよ。
アーノちゃんと小春ちゃんと両手に花状態で手を繋いできたよね! 最初は小春ちゃんを抱っこしてたんだけど、アーノちゃんが腕に抱きついてきてぷんすかしてるから下ろして手をつなぐことにしたんだよね。
かわいいったらなかったね!!
お座敷につれてこられて、美味しいケーキを出してもらったからほっくほくで食べてた。
いやーーこれさー!! 今流行ってるロッシュロッシュのマンゴータルトじゃん!めっちゃうまいんだが!? うほー!
「千歳よ。……千歳? ああ、もう食べたままでいい、美味しいか? うむ、よかったな。……で、そなたは座敷童子殿が見えるのだな?」
「ぶはっ! おじさま、座敷童子殿て! 小春ちゃんね!」
「あ、ああ、小春殿な。……見えるのは確定だな。……そこにいるのだな?」
「うん、ケーキじーーっと見てる。こ、れ、は、わたしのだからだーめ」
物欲しそうに見てる小春ちゃんがいるけど、さすがに食べたものはあげられないかなー。行儀悪いでしょう?
アーノちゃんが食べられないって聞いてたから、小春ちゃんもそうなのかと、確認しないで食べちゃったもんなー。
「誰かある! 同じケーキをもう一つここに!」
おじさまが慌ててケーキお願いしてる。小春ちゃん今から来るの食べていいんじゃないかな? よかったね! 小春ちゃんそわそわして廊下の方見てる。かわいいかよ。
ちなみにアーノちゃんはべったりわたしにくっついてる。食べづらいな。
「それで、千歳よ。小春殿はなにか言っておるのか?」
「今? 今はケーキ来るの待ってるよ」
「じゃなくてな……?」
「あ、さっき? さっきはー、んーと、たしか、ヒナコか? ってわたしのところにきてー、んで、着物の話してー、で、かわいいねって褒めたら、でていこうかと思ってたけど気に入ったって言ってたような」
「……は? 出ていく?」
「って言ってたような気がする。小春ちゃん、違うっけ?」
『最初は飽きたから出ていこうかなと思っとったが、今は千歳の側にいるぞ』
「飽きたから出ていこうとしてたけど今はわたしの側にいるってー」
「よし、千歳。分家から本家の養子になるように手続きを進める。家もこのままここでもよかろうな?」
「え? ううーん、学校……はこっちのが近いな。家……はあの人の男たちがいやだから家出たかったしな。バイトとかやめたくないんだけど? 「そのままで
構わない」あ、そう? じゃあ別にどこでもいいっちゃいいけど……手続きってわたしなんかするの? めんどいかも」
「手続きはこちらで進めるから、千歳はここにいればいいだけだ」
「ふーん? ならいいけど?」
『千歳ここおるのか?』
「そうみたいだね。じゃあ小春ちゃんとこれから一緒住もうねー! ねえねえ、もっと着物とかあるの? 今度見せてよー! わたしたちもね、今度買い物行ってレースとかリボンとか色々見に行ってくるんだー! ねー!」
『あの、買い物、あの。楽しみ』
大きく息を吐いてるおじさまを尻目に、三人で盛り上がった。アーノちゃんは小春ちゃんの着物を触ったりしてたからやっぱり興味はあるみたい。アーノちゃんも似合いそうだよねー。
―――その日は引っ越しの荷物とかなんもないから一回帰ろうと思ったら、人をやるからこのままここにって言われて、ごはんとか風呂とかゆっくりしてたら、寝る頃にはもう部屋出来てた。
使用人の方々仕事が早すぎる。
―――で、次の日は約束通り二人でレースとかを見に来てる。
周りには一人で来てるようにしか見えないから、あんまり話せないけどね。目立っちゃう。
あ、小春ちゃん? 小春ちゃんも、『ワラワも行くー!!』と騒いでいたけど、お家から出たらだめっておじさまに言われてね。
ひと悶着合ったんだけど、色々あって今形代? 選んでる。
形代?
え、聞きたいの?
もーしょうがないな。
なんかね、外に出たいけどダメだって言われて、
『じゃあワラワはここにおるが分身をつくる。形代がいるから準備せよ』
って言われてさー
「形代って?」
って聞いたら分身が入れる形って言うから、ぬいぐるみ見せたら
『いやじゃいやじゃ!』
って騒ぐから、じゃあ人型の人形にしようとリカちゃん人形をみせたら
『異国人でいやじゃいやじゃ!』
って言われてさー、うわぁーもうめんどいーってなってパソコン繋いで、これで選んでおいてよって、ドール売っているサイト見せたらかじりついたからそのままぶん投げてきた。
パソコンからラオン出来るようにしといたから、そのままおじさまと会話できるようになったしね。
おじさまが引きつりまくってたけどまあ、小春ちゃんのおかげで繁栄してるらしい鬼原家だからいいでしょ。
んで、わたしの母親、うん、あの人は本家には入れないけれど、離れに住むことになったよ。それでもいいみたいね。
男とも全員縁を切ったらしい。あんだけ執着してたのに、本家パワーすごいわ。
―――で、レースとか見に来たわけだ。
袖口のレースは白にしようかなーとか思ったけど、あまりにも白すぎて浮くかなー?
なんかね、白い色って200色あるんだね……? えええー、ありすぎてわけわからん。
じゃあ、黒とか紺っぽいのでもかわいいかも? 黒地に金とかもかっこいいしなー。
……なんかね、黒い色も200色あるねんで……?
ありすぎてわからん。
「アーノちゃんが好きなの選んでね」
アーノちゃんニコニコしながらめっちゃカゴにいれてて笑う。
ニッコニコなアーノちゃんに好きなのを選んでもらおっと。
レースだけじゃなく、リボンとか、ボタンとか、そういう小物もいっぱい買ってきた。
ソーイングセットだとミシンじゃないから、あんまり出来ないしなー。
よし! 帰ろうか!
あ、ガチャガチャでもしていく? こういうのかわいいから好きなんだよねー。
―――なんて思ってたらアーノちゃんが袖を引っ張ってきた。
『あの、赤い人、あの。いる』
えええ、日常に悪い人が多すぎるんですけど?
「え、あれ? ……なにあれきも」
なんかガチャガチャ見てるふりして、子供遊んでるところを舐めるようにじっと見てるやついるー!
……子供見てて赤いやつはやばいでしょ。子供になんかしたってこと? でっかいリュック背負ってる。怪しすぎる……ていうか赤色だった。
ギルティ!!
アーノちゃんを見ると眉をひそめてそいつを見てる。今まで赤い人に対して感情みたいなの出したことないから、あいつ特に悪いやつなのかな。
周りに人もいないし、もう狩ってよくね? いいよね? うん、いいよ。
はい、ポイントゲット!!




