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―――武器育てたいなー。などと考えながらアーノちゃんとバイトに向かう。
さっきの先輩の件ではちょっと考えちゃったけど、悪い人は悪い人だと割り切らないとな。どうせわたしだってもう名前は赤くなっているんだろうしなー。最初の待ち伏せの人、捕まってないだけで死んじゃってたんだろうしなぁ。
まあ後悔はしてないけれどね。野放しにしたら他の女の人が標的になってたかもだし。わたしは慣れてたからな、ああいうことされるの。慣れたくはないに決まっているけどね!!
うん、なら、せめて誰かの役に立ちたいじゃん。どうせ死ぬなら役に立ちたいし、アーノちゃんのポイントになりたいかな。
「ね、アーノちゃん」
『……??』
「わたしが死ぬときは、アーノちゃんのポイントにしてね。なーんかずっと一緒になれそ」
『あの、トセ、あの。わた……しも、一緒、いい』
『あの、でも、あの。一緒に、死神のお仕事、したい、から。これ』
「えっ……?」
アーノちゃんがスマホから取り出したのは、アーノちゃんが着ているのと同じ感じの死神のローブだった。
『あの、これ、あの。ポイントの、お礼』
……こないだの、初めてのポイントで、わたしにローブを交換してくれたの? あんなにポイント取れたの初めてって喜んでたのに、……うれしい。
「あ、……ありがとう、アーノちゃん、とても、うれしい」
『えへへ』
『あの、これ、あの。死神の、お仕事するとき、とてもいい、から』
んもー!! なんてかわいいの!!
ついついぎゅっとして、そこからは二人できゃっきゃしながら手をつないでバイトに行ったよ。バイトはマックだよ。
―――バイトでの休憩中、冥界アプリでローブを確認してみた。装備の事項に武器のほかに防具もあって、その一覧にあった。
こちらも育成装備となっていて、【名称:死神のローブ(見習い)。効果:攻撃された時、30%の確率で攻撃が反射する】だった。
わー!! 少しでも防御できるように考えてくれたのかな。うれしいな。
んでもアーノちゃんのと違ってレースついてないけど、わたしも付けたいな。これもポイント? レースそこらで売ってるし、自分で縫えないかなー?
ん? お問い合わせフォームが出来てる……! これ前絶対になかったはず!! もしかしてあまりにも不親切すぎてクレームでも来たのかな? せっかくだし聞いてみようっと。
お問い合わせフォーム
『Q:死神の見習いローブにレースを縫いつけたいのですが、レースや糸、装飾品などは人間の街で買ってもいいのでしょうか?』
『A:死神のソーイングセットをポイント交換して使用してください。レース等は人間界で買っても構いません。ただし、現在、人間界で買ったものには死神の性能はつきません(アップデートをお待ちください)』
返事すぐきたー!!
うわーー! 人間界で買っていいなら、レースで目いっぱいデコれるし、キラキラさせてもいいのかなー? 夢が広がるぅ!
アプデ待ちかー。うんうん! そのうちできるようになるのかなー? 楽しみだなぁ。
てか、ソーイングセットなんて前なかったはず。
項目増えてる?
お、雑貨っていう項目増えてる!! あとで確認しよーっと。
さて休憩終わりっと。ちなみにアーノちゃんは休憩中は自分のスマホで死神のアニメまた見てる。
さっきは『葬儀屋、かっこいい』とか言ってた。うんうん、わかる。あっちもかっこいいよね。
そしてごめんね、死神のアニメって教えちゃったけど、これよく考えたらメインは悪魔だったわぁ。まあ楽しんでるみたいだからいいか。
―――そしてもうすぐバイトが終わるというころに、あ、わたしは高校生だから家に帰る時間も見て午後九時までにしてるんだ。だから、九時前くらいかな、アーノちゃんが袖を引っ張ってきた。
『あの、赤い人、あの』
―――すっと指をさしたのは、大学生くらいの人たちの集団だった。
え、なに? まさか全員赤いの?
「……全部?」
小声でこっそり聞くと、『あの、あの。……全部』とアーノちゃんは答えた。
あー、まじか。そういう集団なのか。
しかし困ったな。あんなに多いとちょっと厳しそう。
どうやったらみんな狩れるかなー? まあバイト終わってからじゃないと無理だなぁ。うーん、……マーキングとかできないかな?
場所が分かれば、あとから追跡して『かくれて』一人ずつ出来るかもしれない。
説明書にはそういうこと書いてないんだよね……。問い合わせも今は出来ないしなぁ。
「アーノちゃん、あれマーキングっていうかどこにいるかわかるみたいにできないかな?」
『あの、鎌で、あの。傷つける、と、少しの間わかる』
鎌か、ここで……? どうやってできるだろ?? うーん。
「バニラシェイク一つと、ナゲット三つ、マスタードソースで」
「はい。バニラシェイク一つ、ナゲット三つ、マスタードですね。〇〇〇円になります。五番の番号札をお持ちください」
おっ、集団の一人が注文に来た。……チャンスかも? 注文されたのを持ってってみよう。
「お待たせいたしました。番号札頂戴いたします」
今だ! ちょっとだけ手から鎌の先を出して手に傷をつけることに成功した。
「いてっ!? は? なんだ?」
「どうした?」
「んん? いや、なんか引っかかったんかも。痛かったんだがなんもなってない」
絡まれないように、すぐ戻りつつ様子をうかがう。
……へぇ。ほんとだ、なんていったらわからないんだけど、そこにいるっていう感じがわかる。
よし、これでバイト終わったら後を付けて一人ずつ滅して行こ。
あれ、これアーノちゃんに頼んだらわたしじゃなくてもよかったかも。ここでもしかして解散になってもわかるように、他の人のマーキングお願いしておこっと。




