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悪人は滅!冥界ポイント交換で人生イージーモード  作者: 仲田野 寿


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―――おはようございます。七時です。ニュースのお時間です。

 きょう未明、○○町で男性二名が死亡しているのが発見されました。警察は事件と事故の両方で捜査をしています。

 

 昨日はあの人帰ってこなかったな。今はいるみたいだけど、靴があるし。

 まあいっか、わたしに関係してこないならなんでもいいや。

 ごはん食べて学校行こうっと。


 適当なごはんを食べながらアーノちゃんに気になったことを聞く。ちなみにアーノちゃんはごはん食べなくてもいいみたい。味しないんだって。

 昨日ポテチあげたらよくわからない顔してたっけな。


「そういや、アーノちゃんはなんで悪い人わかるの?」

『あの、あの。頭の上に数が』

『あの、色も、あの』

「数が? そうなんだ、ポイントが見えるのかな? 色は何色なの?」

『あの、赤い人が悪い人、あの……。緑の人も悪い人、あの』

「えっと? 赤も緑も悪い人? じゃあいい人は?」

『あの、白い人、あの。数も色もない人、いい人』

「赤と緑は何が違うんだろ?」

『あの、赤い人、あの。怖いの。恨みとか呪いとか。だめなことたくさん』

『あの、緑の人は、あの。お仕事の人。赤くない』


 うーん? んっと、赤色の数字は私怨かな? それか恨みがその人についてるとか? そういう悪い人なのかな。

 んで、緑色はお仕事の人で赤くない悪い人? ……軍人とか傭兵とかかな? なるほど。だとしたら恨みとかの赤い人がアーノちゃん的には悪い人ってことか。

 よかった。お仕事なのに滅しちゃうのはちょっといやかもだった。

 

 ていうか、今生きてる死刑囚とかからポイントとれたらがっぽりじゃない?

 ねえ! すごくいい考えじゃない?

 ていうか死刑囚ってどこにいるんだろ。わかんないや。それに調べても入れないよねぇ?

 見つからないように侵入するスキル取ってからとかならいけるかなぁ?


 日常に暮らしててさ、赤い文字の悪い人なんてそんないないだろうしねー。夜中で歩いて危険な目には合いたくないしねー。うんうん。

 まあバイトは行くけど。こないだのあれとか? あんなのレア中のレアな事件だろうし……。なにかあったら鎌あるし!!

 ざっくりやろうざっくり!



―――と、思っていたときもありました。……学校に着いて早々、アーノちゃんが袖を引っ張ってきた。

 アーノちゃんは、わたし学校行くけど来るぅ? って聞いたら、恥ずかしそうに『あの、あの。……はい』て言うから一緒に来たんだよね。


 その時にアーノちゃんには、お外だとあんまり話せないというか答えられないと思うから、赤い人がいたら服引っ張ったりして教えてね? と言ってあったんだ。


 ……まさか、学校に赤い人がいるっていうの……!?


『あの、……真ん中の人、あの。……赤い人』

「……え……」


 ……アーノちゃんが指をさしているのは、一つ上のバスケ部の先輩だった。

 わたしが小学校のスポ少で一緒にやっていたバスケの先輩だ。

 ……そうそう、小学校高学年までは父親がいたからスポ少にもいけたんだったな。高学年になってからは、―――……父親だと思っていた人が化け物に、母親が、母と呼びたくない『あの人』になってから―――は、そういう活動には行っていない。


―――クラスメイトに、たしかバスケの子がいたはず。


「ねえねえ、わたし小学校の頃バスケしてたんだー。あの上手な先輩も一緒だったんだよね。今も上手なのー?」

「え? 木原さんもバスケしてたのー? なんか意外ー! ○中なんだねー? あ、でも○中ってバスケの子ほとんどいないんだよね。わたし△中だからあんまりわかんないけど、やっぱりなんかあったんだと思う。一時期噂が聞こえて来てさー、噂知ってる? わかんない? んとね、自殺未遂した子がいるらしいの。うん、たぶんいじめらしい。それがバスケの子で、で、黒幕があの先輩らしいよ? ま、噂だけどね。自殺未遂までしたのは一人だけだけど、ほんとはもっといっぱいいるって聞いたよ」

「知らなかった……そうなんだ」


 ……そうなんだ。それ噂じゃないと思うよ、だってアーノちゃんが赤いって言ったんだもん。

 

 薬の売人さんが赤かった。……薬を飲んだ人が死んじゃったり、薬がやめられない人が今も恨んでて、恨まれて恨まれて赤くなったのかな。

 いじめられた人が、自殺未遂に追い込まれるまで苦しんで苦しんで恨んで恨んで、精神が不安定になっちゃった人が、怖くて怖くて恨んで恨んで、……恨まれて恨まれて赤くなっちゃったのかな。


―――考えてたら体育館に来ちゃった。戻ろ。


「考えても仕方ない、決めたじゃん。悪い人だ。やろ」

『あの、あの。トセ』

「え?」

『あの、赤い人、あの。ポイント少ない。あとで』

「は???」


―――え、どゆこと?


 アーノちゃんがアプリを開いて指差ししている。ポイント欄の下の方に小さい文字が書いてある。

【※成人以外はポイントが半分となります。ご了承ください】


 は?


 あ、未成年はポイント少ないってこと? 悪い人でもそうなの? まさか更生するの?

 あっ、ポイント数値までしか読み込んでなかった!!


「治るの?」

『あの、治る? あの。わからない』

「あ、赤から白になる?」

『あの、あの。ならない』

「赤から、緑に?」

『あの、ならない。あの。けど、冥界の王様が、見る』

「王様が?」


 アーノちゃんは頷いた。


『あの、違うところで、あの。銃撃った小さい人、とか、赤い人、だけど』

『あの、わからない、から、あの。大きくなった、ときのポイント、見る』

『あの、王様見て、あの。決める』


「あ、わかった。成人なったときに反省してるとかそういうのを王様が見てポイント増減するのか。そういうこと? で、赤い人だけどあまりにもポイント低いときはやらなくていいってことなのかな?」


 アーノちゃんはぱぁぁっと笑顔になって深く頷いた。説明が通じてうれしそう。

 かわいいの極み。癒される。


 なるほどねー。たしかアメリカだっけな? で、小さい子供が父親かな? を撃っちゃった事件あったけど、それのことかな? 子供すぎて撃った意味が分からないからわかるまで待つと。で、殺しちゃったから赤色は赤色だけど、恨まれてはないからポイントそこまでではないと? そういうこと? じゃあ、殺すのもそうだけど恨まれる方が高いのか。

 ああ、強姦とかされたら殺されてなくても許さないからなー。しかも一生許さないもんなー。あ、そういうことか。たしかにね。

 あ、わたしの場合はあの化け物を蹴ったから未遂だけど。でも許せないもんねー。


「なるほどー。じゃあ、あの赤い人は成人してからもっかい確認しよ。結局赤い人だったら教えてね。やろ。あと次からは、成人の赤い人を教えてもらおうかな」


 アーノちゃんは深く深く頷いた。



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