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―――スマホに冥界アプリから案内メールが来ていた。
死神に昇格できますよという内容の!
え、これって……わたし人間なのに死神にって……? どういうこと??
「ねえねえ、アーノちゃん、小春ちゃん、冥界アプリから案内きててさー。それが、……死神になれますよっていう内容なんだけど、どう思う?」
『うーむ。ほんにそのアプリはおもしろいのう。まあ千歳は今でも死神見習いみたいなものじゃしのう? 昇格することもあるのかもしれんな?』
「わたし人間なのに出来るの?」
アーノちゃんにアプリの画面を見せながら聞いてみる。
『トセとわたしは繋がってるから、それは出来るか? と言われたらできると思う』
「んじゃあ、なっておく?」
アーノちゃんはわたしの髪をなでながら考え込んでいる。
『……トセ、ちょっと待ってね。わたしの時は試験があった。そこを確認した方がいいと思う』
『ああ。そうじゃったな。たしか前例がないからじゃったかの? ……だとしたら試験もありそうじゃな……。千歳、出来るのか?』
小春ちゃんが見ていたパソコンから顔を上げて、ベッドでごろごろしているわたしたちを見て言った。
「……アーノちゃんみたいに試験受けないといけないとかだと、怖いかも……」
『トセ、トセに試験はさせられない。わたしが問い合わせしてみる。待ってて』
『千歳は人間のまま……、本体のままということじゃろうからのう。無理はさせられぬ。まあ一月後のワラワの巫女のお披露目が終わってからでもいいのではないかの?』
アーノちゃんが問い合わせしてくれるとのことなので、体を起こして小春ちゃんと話す。
なんかお披露目にも違う用途がありそうだね?
「一か月後のパーティでお披露目なると、なんかいいことあるの??」
『そうじゃな……。ワラワの巫女である、という認識が他の人間、―――ワラワのことを知らぬ人間―――にも浸透すると、ワラワと千歳の繋がりが強化されるのじゃ。そうするとワラワの守護をもっと強くすることができるでな。……もし試験となったとしても生半可なことでは傷つかぬであろうからの』
「なるほどー! ええーいいねぇ! ……あ、だから宣伝写真のときに人形形態の小春ちゃんのことも抱っこして撮ったんだね」
『そうじゃ。だから千歳もワラワの巫女ということをもっと大々的にしてもいいのじゃぞ』
「あ、それって、あの学校にいた分家の人とかに巫女になったよ、よろしくねって伝えてたほうがいいってこと?」
『ああ、あの分家のわっぱか。……そうじゃな。きちんとした分家であれば巫女に手を出したら何かが起こるとわかっておろうからの。声をかけてみよ』
「ふーん? わかったー! 見かけたら伝えてみる」
アーノちゃんがアプリを見せてきた。問い合わせの返事来たのかな? 相変わらず冥界の王様対応早いな!?
『トセ、問い合わせの返事が来た。……やっぱりトセが死神になるには試験がいるみたい。ただ、トセが人間ということを考慮して、ポイントをたくさんいれてくれたら免除とすることもできるって書いてある』
「おー! んじゃあもっとポイント貯めて試験免除狙って死神になろかな! ポイントいくつでなれるのー?」
『試験免除ポイントが10万いるみたい……』
ええー。ポイント額がでかいなぁ……。ううーん。
「10万か……。んと、残り33500あってー。それにアーノちゃんが狩ってきてくれたポイントが2000で35500かぁ。ええええ、まだまだだったぁ」
『わたしのトセのために、もっと狩ってくる』
「え、えへへ、ありがとうアーノちゃん」
アーノちゃんが気合を入れている。
てか、急にわたしのトセとか言われると照れちゃう。
と、アーノちゃんの手がわたしの服の中に入ってきて不埒な動きをしはじめたんだけどー? あっ、こらっ。
「……あっ、だめっ、アーノちゃんっ」
んもうー。今日は朝もしたんだから……。
『……実体と一緒に魂の交わりも行っておるから、アーノも止められないのじゃろうが……、あまりがっつくと千歳に嫌われてしまうぞ? いやであろう? ああ……実体になったばっかりな反動もあるのじゃな……。全く……しようのない子じゃのう』
『トセに嫌われたくない……』
小春ちゃんに言われてアーノちゃんがしょんぼりしてる。後ろからわたしのことをぎゅっと抱っこしてくる。
……んもう、かわいい。嫌いなんかにならないし大丈夫だよ? と顔だけ振り向いて言ったらまた濃厚なキスをされてしまった。
「あっ、アーノちゃん……」
『トセ、トセ』
名前を呼んでくれつつ手がもうえっちなことしてるぅ。
「……っ、あっ、……こりこりだめぇっ……」
『でもトセ、これ好きでしょ? こっちも……すぐわかる』
「あっあっあっあっ、……んっ、……っんっんっ……」
『トセ、トセ、かわいい……。……ふふっ……ほら、トセはすぐ……こうなる』
アーノちゃんのみぎてがこりこりでひだりてがくるくるで、耳にキスしてくれたりでなんか、……もう……あっあっ……足が……伸びちゃうっ
『全く、千歳も甘いのう』
と言いながら部屋から出て行ってくれた小春ちゃんに感謝。
結局またいちゃいちゃしてしまった……。
だって気持ちいんだもん……、……いやじゃないし。
アーノちゃんもにっこにこだし。
まだ恥ずかしいけど……、ま、いいかな。
―――さてさて次の日、学校に行ったら……朝は遅刻するからだめってアーノちゃんに注意したから今日は急がなくて大丈夫だったよ!
昨日の分家の人が待ってたようだった。
「鬼原さん、おはようございます。あの、どういう繋がりで本家に入られたのか? と両親に聞いてくるように言われまして……。すみません、教えていただけますか?」
「ああ、分家さんの。おはようございます。えっと、小春ちゃんの、あー。座敷童子が本家にいるのは知ってます?」
「はい、言い伝えで聞いたことがあります」
「あ、言い伝えじゃなくてですね、ほんとにいるんですよね。で、その人の巫女になりました」
「ほんとに、……いるんです?」
「はい、それは確実に。本家にお勤めされてる人たちもみんなわかってます」
「……そうなのですね。親に伝えてみます」
「お願いします。あと一か月後に巫女のお披露目パーティーをする予定なので、もしかすると招待状とかいってるのかもしれないです。招待客はおじさま、んっと当主が出すのでわかりませんけど」
―――小春ちゃんに言われたように巫女のことを伝えてみた。なんかペコペコお辞儀されながら解放された。
よくわからないけど、これでよかったと思おう。




