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―――アーノちゃんと家について、豪華なごちそうも食べた。よし、銃の強化を見てみよう……!
ちなみに小春ちゃんはまた玄関の前で待ってた。……やっぱり犬かな?
なんかそわそわしてたから、もしかして形代出来たのかな?
言ってきたらびっくりしてあげようっと。
ごはんを食べて部屋に戻ってベッドに寝転がる。アプリを開いて銃の強化できるの見てみよーってしてたら小春ちゃんがうれしそうに飛びついてきた。おっと、
『千歳! 千歳! カズヒトが反物! 着物たくさん持ってきてくれたのじゃ! 見るのじゃ!』
「おお! あ、これー!? え、すごくたくさんあるじゃーん! いいね、え、かーわーいーいー」
『あの!! これ!! あの!! きれい!!』
「アーノちゃんも気にいったのあったー?? おぉぉーいいねええ!!」
これって仕立て直していいの? ていうか天才千歳ちゃんでもさすがに無理だぞ。こういうのはきちんとした職人さんがいるし。
「てか小春ちゃん、形代のとき着るなら形代のサイズ合わせした方がいいんじゃない?」
『そうじゃな! カズヒトに言う!』
「アーノちゃん、これをローブにくっつけたりしてリメイクするのはわたしでは無理だよー。リボン付けたりレース付けるくらいならできるけど、こういう本格的なのは出来ないなー。あとソーイングセットだときびしいねー。ううーん、どうしよっか」
『あの、アプリで、あの。問い合わせ、して、みます!』
「えぇ……?」
え、そんなこと問い合わせしていいの? え?
あ、死神の福利厚生かなんかかな……?
……うむ、任せよう。アーノちゃんなんか鼻息フンフンして気合入ってるし。やっぱり女の子はかわいいの好きよねー!
ていうか、死神って自由すぎない? あんまり娯楽がないのかなー?
と、部屋をノックされた。
「千歳、私だが、小春様に呼ばれ―――
ガラッ
『カズヒト!! この着物を形代用に仕立て直すのじゃ!』
「あ、あーもう。小春ちゃん、勝手にドア開けない。いい? 『うむ。わかったのじゃ』……おじさま、『カズヒト!! この着物を形代用に仕立て直すのじゃ!』って言ってる。その着物らしいね」
小春ちゃんが持ってる着物を指さすと、
「ああ……、この浮いてるやつか、……そっちの浮いてるのは……?」
「こっちは別の子のだから、まずいいや」
「別の子……?」
おじさまからは浮いてるように見えるのか。なるほど。
『カズヒト! いつできるのじゃ!?』
「さすがにすぐは無理じゃない? こういうのの仕立て直しって職人さんが柄合わせとかするんじゃないっけ?」
「千歳……小春様はなんて?」
「『カズヒト! いつできるのじゃ!?』ってジャンプしながら言ってる」
『そうなのか? 外にはできるものはおらんのか?』
「『そうなのか? 外にはできるものはおらんのか?』って言ってる。おじさま、小春ちゃんは外にだすのだめなの?」
「ううむ、それがな、わからぬのだ。……今までこの家には、座敷童子がいるとは言われていてな。
祖母が少し意思疎通できたと聞いてはいた。その祖母が、童子様がいらっしゃるからこの家は繁栄できたのだ、各々感謝して過ごすように。おらぬようになったら何がおこるかわからぬぞ、ときつくきつく言われていてな……。だから家の外には出ないで欲しいのだが……」
「あー。そういうあれがあったんだね」
「そうだな……んむ、だから職人を招聘しよう」
『ぬ? それはないのじゃぞ。家から座敷童子が出ていったからと言ってすぐ衰退するのは、あれはもう座敷童子ではないのじゃ。もう祟り神になっておるのじゃな。座敷童子を牢に入れたり感謝せず疎かにしたりして、恨みがたまり祟り神になったものなどのことじゃな。幸運の反転じゃ』
「へええー。そうなんだ? えー、ちょっと怖いね」
「千歳、小春様はなんて?」
「んっと、家から座敷童子が出ていったからと言ってすぐ衰退しないんだって。ただ、座敷童子を牢に入れたり感謝しないでいたり疎かにしたりすると、恨みがたまって祟り神になっちゃうんだって。今までの幸運の反転らしいよー。ちゃんとかわいがらないとだめってことだねー!」
「なんと……! 千歳、小春様にお好きな食べ物なども聞いておいてくれ」
「ねえええ! もうめんどいからラオンで会話してよー! 小春ちゃん、おじさまとのラオンに欲しいものとか好きなもの書いといてよ」
『わかったのじゃ!』
小春ちゃんはいそいそと着物の袖からスマホを取り出した。
これも浮いてるように見えるのかな。
あ、そうだ。
「おじさま、職人さんを呼び寄せるなら、わたしのも作ってほしいなーなんて」
「いいのではないか。小春様の分が出来たら頼んでおけばよい」
「いやっほう!!」
ふと気づくとアーノちゃんがスマホを天高くあげている。何やってんの? 喜びの舞か何かかな?
「アーノちゃんどったの?」
『あの! お問い合わせ! あの! 出来るって!』
「もう返事来たのか。冥界の王様がんばってるなー! で、出来るってどういうこと? なんて聞いたの?」
『あの! 人間界の、あの、買った服を、自分のものに、できるか? って』
「うん? 自分の物? だよね? 買ったら」
『あの、死神用の! あの。ポイント使って、あの、できるって!』
「ん? あ、死神のローブをポイントで強化できるってこと? ん? それは今もだから、あ、素材!? え、買ったのを素材として死神用に強化出来るんだ!? それはすごい……。え、冥界の王様有能じゃない?」
それすごいー。じゃあこの着物仕立て直してもらったら死神の着物とか死神のゴスロリとかにもできるのか。かわいいじゃーん。いいね!
「アーノちゃんよかったねー!! じゃあレースとかも一緒にして仕立て直してもらおっかー! アーノちゃんも選んでおいたらー?」
しかしポイントたくさん使うなーこれは。多くないとやっぱり大変だな。お金も交換して株? とかやりたいしねー。増やしたい。
また狩りにいくかー!
で、と。わたしはまたベッドに寝転がってアプリ確認しよっと。
んっと、さっきのサラリーマンポイントが150。いま450か。んーびみょいな。強化ならできるけど。
えっと、サイレンサーじゃなくて何だっけ? あー、アタッチメントのー、あ、これだこれ。スコープスコープ。
スコープつけられる銃ってどれだ。あれ、コルトパイソンにスコープつけられる限定銃てのあるじゃん。
あああポイントが!! ありえないくらい高い。2000ポイントってそんなんは無理。限定だから……?
強化でスコープ付いてるのなんかないかな。銃スキーな冥界の王様ならきっとなんかあるはず!
大きな銃しかないな。いやかっこいいけどね? ああーどうしよう。
……ううーん。あんまりポイントないし、少ーしエイム練習をやってみてからにしようかな。エアガン買ってきてでBB弾で練習してみよう。
ていうか、二人できゃっきゃしながら着物広げてるけどさ、待って、これ誰が片付けるの……?
わたしじゃねーか!
あーもう。……まあ、かわいいしうれしそうだからいいか。




