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バッドエンド回避に失敗した悪役貴族の俺、自作ダンジョンに引きこもる  作者: 【星願大聖】永福
始めようダンジョンDIY

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第25話 子どもと遊ぶのが下手くそな俺は、ひたすらに駄目だしされ続ける

 ❖

 メイハオちゃんが構ってほしそうな目でこちらを見ている。

 

「ほーらメイハオちゃーん! いないいないばぁ!」

 

「たわけ、この小娘は赤子では無いのだぞ」

 

 変形の魔術で作ったガラガラを振り回していたが、部屋が極寒の空気になりシェンルゥからダメ出しが飛んだ。

 

 こんなに寒いなら、次に誘うのはあの遊びしかないだろう。

 

「雪合戦しようぜメイハオちゃん!」

 

「おぬしわざとやっておるのか? 勝てるわけなかろうが」

 

 雪合戦をしたかったのに、俺はいつの間にか雪だるまになっていた。

 

 文句を言いながらも雪だるまになった俺を助けてくれるシェンルゥに驚きながらも、子供が喜ぶ遊びとはなんだろうかと考える。

 

 やはり、ゲームだろうか? しかしこの世界にはテレビゲームなどない。

 

 ならばアナログゲームだ。 メイハオちゃんは名前や見た目からも華ノ国出身とみていいだろう。

 

 となれば、誘うゲームはあれしかない。

 

「よーしメイハオちゃん、華ノ国出身なら絶対知ってるゲームをしよう。 マージャンの時間だ!」

 

「たわけ、対象年齢も人数も足らんわ」

 

「おまえさー、さっきから文句ばっかり言ってくるけどさー、なんかいい方法があるんなら是非とも教えて欲しいんですが?」

 

 シェンルゥが俺の行動に対していちいち文句を言ってくるのはいつもの事だ。 だってこいつ極度のかまってちゃんだもん。

 

 しかし今はメイハオちゃんに気を使いすぎて少々ストレスを感じている。 なのでシェンルゥは丁度いい発散相手になるのだ。

 

 かまって欲しいシェンルゥと、ストレスを発散したい俺。 俺たちもしかしてウィンウィンの関係なのかもしれない。

 

「小娘ならままごと一択であろう!」

 

「まぁーまぁーごぉーとぉー? はっはっはっ、ままごとですか。 実にあんちょくー」

 

「何を言うておるか! おなごはみんな、ままごとが好きなのであるぞ!」

 

「メイハオ、ままごとイヤ」

 

「イヤだってさー、ぷぷぷー」

 

 即座に拒否するメイハオちゃんを見て、ここぞとばかりにシェンルゥをからかってやる。

 

 すると、まさかのシェンルゥちゃん、涙目でぷるぷる震えだした。

 

 いつもなら怒る時はうがーとか、おのれーとか言いながら飛びかかってくるのだが、これは新しいパターン。

 

「……まさか、シェンルゥがままごとで遊びたかったとか言わないよな?」

 

 冗談交じりで聞いてみたはずだった。 そう、冗談で聞いたつもりだったのだ。

 

「そそそそんなわけあるかたわけが! 妾は有象無象共から敬いしたわれている神獣なのだぞ!」

 

 ものすごく早口で捲し立てているシェンルゥへ、ドン引いたような顔もからかうような顔も向けないよう、必死で心を無にする俺。

 

 だって、ここでからかったりドン引いたりしたら、恥ずかしい思いさせちゃうもんね。

 

「べべべ、べつにー、妾はままごとなどしたくはないが、この小娘がどーしてもというのであれば、妾がお母さんの役をして、童にパパの役を譲ってやらないこともないとは思っておったが! あくまで、あくまで例えばの話であるし、見た目と年齢的にパパ役とお母さん役をできるのは妾と童だけだからただの消去法で……」

 

 自分のことはお母さん役とか言ってるくせに、俺の役はパパとか呼んじゃってるあたりがガチすぎて、悔しいが少しかわいいやつだとか思ってしまった。 ちっくしょう。

 

 平常心……保てるか心配になってきてしまった俺でしたとさ。

 

 ❖

「メイハオ、力の制御方法知りたい」

 

「制御方法? まさかメイハオちゃん、無意識に部屋の空気を極寒にしてるの?」

 

 コクリと頷くメイハオちゃん。

 

 なるほど、彼女は仙法を操れていないらしい。

 

 彼女の機嫌に応じて部屋の気温が上がったり下がったりするのはそのせいだろう。 ちなみに、今は冬なのかと疑うほど寒い。

 

「力の制御とか言われても、俺は仙術の使い方すら知らないからシェンルゥに聞けよ」

 

「おぬしのう、妾に丸投げするでないわ。 ただでさえ妾は……」

 

「シェンルゥおねえちゃん、教えて?」

 

「んなっ! お、お、お、おねえちゃんだと?」

 

 腕を組んでそっぽを向いていたシェンルゥの袖を引っ張りながら、上目遣いで要求するメイハオちゃん。 効果は抜群なようだ。

 

「ふ、ふーんだ。 まあ、妾のことをお姉様と呼ぶのならば……か、考えてやらんでもない」

 

「シェンルゥおねえたま、教えて!」

 

 会心の一撃が出たようだ。

 

「ふきゅ! 仕方がないのう、言っておくが妾は厳しいぞ? それでもよいのか?」

 

 コクリと頷くメイハオちゃんを見て、シェンルゥのご機嫌は急上昇。 今にもスキップしてしまいそうな動きで俺の方へ振り返り。

 

「そう言うわけじゃ。 仕方がないから妾がこの娘に仙法の使い方を教えてやろうではないか!」

 

 キリッとした目つきでそう宣言してくるシェンルゥ。 ずいぶんと心強いことで。

 

 そんなわけでとても嬉しそうな歩調で五階層から去っていく二人の背中を見送り、手持ち無沙汰になった俺は転移陣を使用して最終回層まで戻ってきた。

 

 暇だから分身体のモニタリングでもしようと考えている。

 

 現在、俺の分身体は宝州に滞在している。

 

 とは言っても俺は国外追放された身なので素顔はさらさないようフードを被らせているが、滞在させている理由としては宝州で出張中のヴァブと連携を取るためであったり、宝州の冒険者たちの動向を探るためである。

 

 ちなみにモニタリングの仕組みは様々な魔術を応用したハイテク仕様だ。

 

 分身体の眼球についているコンタクトレンズが写っている景色を、おしゃれそうに見えるピアスが周囲の音を拾ってくれている。

 

 とは言っても分身体は俺の記憶を書き込んだ仕様のため、基本的に分身体は自分で考えて自分で動く。

 

 なので俺からああしろこうしろは特に言ったりせず、基本的に様子見程度でモニタリングしているのだ。 暇つぶしとも言う。

 

 そんなわけでモニタリング用に壁をぶち抜いた部屋へと入り、部屋の中央においてあるガラスの水晶球の前に座る。

 

 モニタリング用にゲーミングチェアを真似て作った粘土の椅子が置いてある。 座り心地を追求した自慢の逸品ではあるが、椅子の土台が粘土のためクッションはヴェートに別で作ってもらった。

 

 さてさて、俺の分身体は今なにをしているのかな?

 

(クソッタレが、こちとらオリジナルが体に書き込んだ魔術しか使えねーってのに、調子に乗ってボコスカ魔術ブッパなってきやがって)

 

(もう一人の会長! ここは一度自分がダンジョンに戻り、援軍を呼んだほうが……)

 

(馬鹿野郎。 大事(おおごと)にしたら俺のオリジナルに小言を言われて面倒だろう、どうにかしてアイツラを追い返すしかない。 どうせ俺は分身体なんだ、俺がぶっ飛ばされればアイツラも満足するだろう)

 

 はて? なぜ俺の分身体は林の中でヴァブさんに介抱されているのだろうか?

 

(すべて自分の責任です、犠牲になるのなら魔造人間である私のほうが適任かと……)

 

(却下に決まっているだろう。 お前が倒されたところで連中は満足しない。 なんせアイツラは、生きていると思われているティメル御本人を討伐しに来てるんだからな)

 

(しかし……)

 

 まったく状況がわからない。 とりあえずなんかヤバそうなのだけは分かる。

 

 こちらからなにが起きたのか聞きたいところなのだが……

 

(魔力の痕跡を調べられるとは思わなかった。 最近暗殺者共の襲撃が少なくなったかと思って完全に油断していた。 あの引きこもりクソったれオリジナルがぐーたらしていなければこんな事にはならなかったというのに)

 

(申し訳ありませんもう一人の会長。 自分があの街を発展させ、商人を呼び込んだりしなければ情報は漏れなかったというのに……)

 

 俺はバカではない。 だから少しずつ、オチが見えてきた。

 

 概念干渉構成式には魔力探知という魔力の痕跡を調べる魔術がある。 その魔術があれば俺の魔力を糧に生まれたものや戦った地点の特定ができる。

 

 俺の魔力を糧に生まれたもの、魔造人間を対象に探知でもされてしまえば、俺が近くにいるということは容易くバレる。

 

 暗殺者共に俺が住処にしていたダンジョンがバレたのもこの魔術のせいだ。

 

 失念していた。 暗殺者共が頻繁に来なくなった代わりに冒険者が来るようになった理由。

 

 依頼されているのだ。 このダンジョンにいるであろう指名手配犯を討伐する依頼を。

 

 そしてそんな依頼を出すのは、ジュムフーリヤ帝国皇帝しかいないだろう。

 

 では、エリート暗殺者たちですら倒せない俺を倒すために、誰を遣わせるか。

 

 国家魔術師を華ノ国に送れば、戦争を仕掛けられてると危険視した華ノ国防衛軍が黙ってはいないだろう。 だとすれば、国家魔術師達以外で、エリート暗殺者並みに腕が立つ魔術師たちを選別するのがベスト。

 

 俺の追放イベントの後ということは、とある集団が国家魔術師たちと同レベルと呼ばれるほどに強くなっている。

 

(いいかヴァブ、足止め程度なら今の俺でも難なく可能だ。 だからお前は今すぐダンジョン内に逃げろ、すぐにユーティも帰らせるから。 オリジナルがケチって魔術大全を渡してくれなかったせいで、俺はこれからテオス達に滅ぼされるとするさ)

 

 テオス・メルレイン。 マジシャンズ・フロンティアの主人公にして、魔導士マリヤムの血を引く少年。

 

 将来最強と言われる魔導士が率いる集団が、華ノ国に入国していた。

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 ここまで読んでいただき、本当にありがとうございます。

 僭越ながら、少しでも面白いなとか、続きが気になると感じてくださった方は、ぜひブクマや☆評価などをよろしくお願いいたします!


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 ・作品に関する裏話だったりとか

 ・執筆する上で考えている事

 ・作家として活動していくにあたりどういうことをしていこうか

 ・単純に自分が好きな作品について

 などなどいろんなことを話しているので、興味がある方はぜひとも遊びに来てください!

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