13話天国と地獄
つらかった。新聞記事を読んだり当時の情報を読むにつれて、正直かきはじめたのが滅茶苦茶後悔しました。
改めてお悔やみを申し上げます。という気持ちになりましたし、書きたいことが多すぎて長くなりすぎてしまった。
13話 天国と地獄
ギデオン捜査官はここまで送ってくれた警察支局の運転手についてくるよう要請し、
車内でギデオン捜査官は静かにけいたい電話を持ち出し、かけ始めた。
「ええ、ですから・・・先ほどメールで送った通り」
私が運転する車は、父親の物で古いタイプの現役。少しだけ色あせたミッドナイトブルーのジープだ。
私自身は大変気に入っているが、乗ってきた車を見る限り、ギデオン捜査官の趣味ではなさそうだ。
「断言できるかどうかは精神鑑定の要請をしますが、彼ら彼女は狂言を言っているようではありませんでした。これから一先ず頂いたもっとも被害が深刻だと思われるデーターをニューオーリンズの大学のパソコンから送ります。出来ましたらそれを見てから判断してください。少なくとも私は彼らの怒りと切実さを感じました。」
上司との話し合いは難航していそうだ。
まぁ、しかたがない。私だって驚いたし信じられない思いだった。
11月末ごろに娘から言われた言葉を半信半疑にも動いたのは、故に大量の人命がかかっていたからだ。
それからという物、スマトラ沖の地殻変動データをどこでデータ化しているか過去の資料からわかるものをと思い浮かんだのが、デルタ解析学で研究している名誉ある賞を取った友達のヘンリー・ロバーツ教授だった。
彼は、山から川そして海への体積物などから様々な情報を読み取り、地震への警告に一役買ってくれた。
今現在も、徹夜で衛星写真のデータを解析してくれている。
私が持っているステータスでは、とある機関の衛星写真を見ることはかなわない。
権威ある友人がライセンス認証でパスコードを打ち込んで初めて――悲惨な光景が見えるだろう。
娘のデータと実際の衛星写真の解析データを送れば流石に動きやすいだろうし何より、生存報告があればいいんだが…。
「今話が付きました。レナード、FBIの長官とCIAの長官、それに今貰ったホワイトハウス内の今回限りのメールアドレスに送ってくれと言われました。それを持って1月以内に判断して、先ほどの書類の事項を話し合う場合は国家安全保障の役員が出来たらクワンティコで締結したいと。」
「!直接ホワイトハウスにメールするのか・・・・正直研究結果の受賞とかそういったハッピーで愉快なメールをしたかったね。」
思ってもないことだが、よく考えずとも、ホワイトハウスの案件に上がらざる負えないだろう‥‥政治的に考えて。
「クワンティコか・・・先日ジョージ・メイソン大学の講師の応募をしたところだ・・・もちろん返事待ちだがね。」
一応、引っ越す予定を告げて置く。必要になるだろうから。
「・・・・・・・去年巨額な当選宝くじに当たった割には質素な生活だが、仕事はやめないのか?」
「私は学者で、妻はファッションデザイナー。当然質素だけど少しだけ豪華な生活を送ってるよ。だが、当選したものの末路はあまりに聞きすぎている。堅実にもなるさ」
不幸な者の末路はいくつも聞いている。それに私は今のひっそりとした生活がそもそも好きなんだ。
「だが、引っ越しをするなら車くらいは新品にしたほうがいい・・・・もしも宝くじに当選したのが君たちだとこの土地に住んでいる人にバレたら車なんかでも追跡可能だし、古すぎて悪目立ちするだろう・・・そうだなありきたりなアメリカ車中古のセダンなんかでも・・・」
「悪いがこれは亡くなった父親の形見なんだ。家の電話や携帯電話の番号を変えるのとはわけが違う。治し続けてまだまだ乗る予定さ。・・・問題が見た目の印象なら、車の色あせたカラーを綺麗に塗りなおしてプラスでナンバープレートを変更しよう。」
ちょっとムッとなりつつ、これいい車なんだがなぁ・・・・・とため息交じり答えた。
車を大学の駐車場に停車。
講堂を歩き、パソコンの教室まで案内する。
「今頃、ネットの中で生の声が届いているはずだ。」
急ぎ足で、ドアを開け、学生にリストにしたことと、この数時間でわかった内容をまとめるよう指示した。
「ヘンリーからとインドや周辺の国々の状態を確認してくれ」
涙でぐちゃぐちゃになっている女子学生が、教授を見て走り寄ってきた。
「書き込みが一時的に止まった場所です!チャットのプーケット・ルーム。
最後の一行は――
解析したところ海岸沿いのネットカフェから・・・・
現地時間にして10時3分です・・・」
私はそっと学生の肩に手を置いて言った。
「他には?他に無ければ書き込みが止まった時刻のログとIPアドレスの特定地域を書いて共同の研究室——事前に渡していたアドレスに送れ。海岸沿いのネットカフェだとしっかり伝えてな。」
まだ泣き続ける学生に一括した。
「泣いてる暇なんてない!!今現在は水が引いているはずだし、破壊するほどの波はもう来ない。救助に当たって必要な情報をきちっと探すように!
一番注意すべきは余震だ。
この後何度も大きな揺れが来る、警告してやってくれ。」
「必ず助かってる人が何人かはいるはずだ。探してくれ!!いたら必ず、地図にピンを止めろ。」
ナショナルジオグラフィックの世界地図にインドネシアの地名辞典、各国の地名辞典。それぞれをタイの国家資源地図帳、スリランカの測量局が発行したThe National Atlas(国家) of(地図) Sri(帳) Lankaや、インドの全8巻の地図セットから被害に会う予想がついていた
一端小休止といった瞬間、伝達事項の説明をする。
「朝言ったが、現地のデータ収集及び人命救助のためのリストと周辺の災害情報の情報収集へと移行する。」
泣きつかれ、息をしていないなどネガティブことばかりの被災地の情報に疲弊している学生たちを見て続けた。
「明日昼移行のバイトだと言ったが、朝8時~ボランティア活動として参加してくれるものはぜひ参加してくれ。是非他の人も誘ってな。因みに、他の参加者にはバイト代は出ない。せいぜい昼食としてうちのかみさんと娘の手料理を食べる権利を与えるくらいだな。参加人数は別に名前を書いてくれ。」
「——この活動が終わったら、私が医療費を負担するからバイトのメンバーはカウンセリングにかかってくれ。1月から6か月分だそう。
決っして、健康だからと軽視はするなよ?」
「なんでですか・・?」
「セカンドトラウマ・・・所謂、つらいものを経験していないが、そういった情報に多く触れることによって本人と同じようなトラウマを抱えてしまうことがある。暫く、友人や家族と連絡を密にして精神の安定を図ってくれ。」
「心に一枚バリケードを設置出来たらいいのだがね
・・・ままらないのが心だからな。
だが、今日の君たちのおかげで、支援する人たちに渡す情報が増えた。
被災者も早期に発見される確率が高い。」
「パソコンの前に座っている君たちがいないと、情報がないと決して被災者支援は動けない。集まってくれた、または半強制的に集めた君たちがいたから、沢山の人を救うきっかけになった。
今現在一番被災者に近い人とコンタクトをとれるのは君たちだけだ。
これからも奮励努力を期待する。」
「半強制的?」
大学の教授にそんな権力があるのか?との視線に対し、たらりと汗を流しながらも訴えた。
「ネット情報とテレビのニュース、どちらがまだ親兄弟の安否を知れると思うか考えろっていう伝言付きで生徒の寮部屋まで他の生徒たちを迎えに行かせたんだ。」
実際にこの言葉は間違いではない。
ニュースの後付けの情報よりも、おそらく今、この掲示板が世界最速で現地の情報を知れる、唯一のツールであることは疑いようがない。
その支配的な言葉があったこそ、今この部屋にはバイトに募集していた語学が堪能な人間と、留学生たちの姿があるのだ。
1:. Lucky_Surfer
タイ・プーケットの観光客だ!
海が引いたら高台へ逃げろと言った奴、出てこい!
おい、あんたのおかげだ! 朝、海が異常に引いたのを見て、掲示板に書かれていた防災バッグの中身と避難経路を思い出した。
周囲の観光客は魚を拾いに海へ走ったが、俺は狂ったように家族の手を引いてホテルの裏山に駆け登った。その3分後、街が消えた。 いま、丘の上で家族全員無事だ。信じてよかった。あんたの警告をスパム扱いして通報しようとした自分を殴ってやりたい。本当に、本当にありがとう!!
2.:Aid_Worker_Colombo
スリランカ沿岸のNGO職員!
スリランカ南部より。ここの掲示板で執拗に流されていた26日の津波予測を見て、半信半疑ながらも孤児院の子供たちに避難訓練をさせていた。
おかげで今朝、水が来る前に全員をバスに乗せて山へ移動させることができた。
避難リュックに入れておけと指示があった抗生物質とアルコールをしみこませたガーゼ、それにあらかじめ用意しておいたペットボトルの水、一人当たり28リットル、これがあったおかげで、今パニックにならずに済んでいる。情報をくれたDisasterPrep_Manual君たちは私たちの救世主だ!
3.:Student_Ache
……助かった。信じられないけれど、書き込まれていた通りの時間に波が来た。 ずっと掲示板で26日は地獄が来るって言われてたから、昨夜から高台の友人の家に避難していたんだ。 下の街が、僕が住んでいたアパートが、一瞬で水に沈むのを見た。 いま、チャットに繋がる唯一のPCから書き込んでる。ここはまだ生きている! 何かできることがあれば言ってくれ! 生き残った僕たちに、何をすべきか指示をくれ!
「Humanitar_Data_NOLA、 ニューオーリンズのIDでいまから言うことを書き込んでくれ。」
「アチェの生存者たちへ。 次の行動指針だ。」
そう言ってレナードは、大きな文字で書かれた紙をボードに張り付け、読み上げた。
その一、補水液の作り方:水1Lに砂糖大さじ4 と 塩小さじ0.5。これを全員で共有。
その二、傷口の処置:海水で洗うな。泥を落としたら、強い酒で周囲を拭くこと。
「その三、燃料の確保:ライター、マッチ、ガスボンベを優先的に集め、煮沸消毒の準備を 救助は必ず行く。信じて……生きろ。死ぬな。」
「ハエが媒介するコレラや赤痢が、危険となる、手洗いが出来ない状況が続くだろうからせめてアルコールで拭かせなさい。
水や物資は他の人から奪われる可能性が高い、他の人には見せるな。大体のやり方は以前に防災マニュアルや、災害趣味レーターそれからLittleProphet_2004が書いていた通りだから読んでいなければまた声をあげてくれ。」
「ヘリが通ったら、鏡や反射板、あるいは色のついた布を振って目印にしてくれ少しでも救助の人が分かりやすいよう、苦しい中でも配慮を願う。」
2004年12月26日 22:30(EST) 掲示板への返信
DisasterPrep_Manual
Aid_Worker_Colombo、よくやった。子供たちの命を守り抜け。
1.水の配給管理:1日2リットルを死守し、残りは調理と衛生に回したほうがいい。
2.衛生管理:排泄場所を居住区から隔離しろ。二次感染を防ぐのが衛生状態を保つ秘訣だ。
3.防犯:外部の人間に備蓄の全容を教えるな。必要な分だけを分かち合うルールを保て。気持ちが助けたくなるのもわかるが、助けるのは君たちではない。 君たちの座標は現在、政府の救援ルートに組み込ませるよう調整中だ。」
「生存者がいます!!英語に得意なスタッフが書いてるようです!」
パソコンの一つを使って、データをホワイトハウスにプロテクトキー付きで送った。その間にじっくりと掲示板の内容を読む。
1. モルディブのリゾート従業員:Island_Guide
モルディブのリゾート従業員
信じられない。LSUのグループが数日前に「12月26日、モルディブの環礁は2メートル以上の浸水リスクがある。ゲストをボートに乗せるな」と直メールをくれた。 うちは小さなコテージだが、オーナーがその言葉を信じて、今朝は全員を島の一番高いコンクリート建築の屋上に待機させていた。さっき、島を洗うような波が来たが、宿泊客50人、全員無事だ! 波が引いた後、海辺に残っていたボートは全部粉々になっていた。メールをくれなきゃ、今頃客を乗せて海に出ていたはずだ。あんたたちは命の恩人だ!
「タイの人の話みたいです!」
113.Andaman_Blue_2004
カオラック・ビーチ・ヴィラの店員だけど12月9日に職員全員いきなり店舗をいったん閉鎖するって言われたよな。12月24日から3日間の間家族も連れて内陸部のホテルに研修旅行という前代未聞の布告。
とくに故障したりなにか問題があったわけじゃないんだけど、そのおかげでたすかったぜ!
・・・・・問題は働く場所が壊滅してなにも無くなったっていう部分だよ。水や食料、アルコールのついたガーゼや医薬品の類を見ると、どう考えてもなにか上のほうでお告げでもあったんじゃないか疑っちまうけど、そのおかげで助かったし、ネットで情報が見れるって言いうからパソコンを貸してもらったんだが、原因というか理由はネットとはねww
114:PhiPhi_Island_Life
プーヤイバーン(村長)からピピ島の人間に避難指示を言われたよ。
精霊のお告げって言われたからみんなで山の上にお年寄りも含めて一晩キャンプって言われたよね。おかげで助かったけども、これから大変だ。
115:Spirit_House_Keeper
いいなぁ・・・俺らはみんな船だして沖で魚いっぱいにしとっけって言われた。
朝9時~12時の炎天下だぞ!?って思ってたけど、ピピ島の被害を知って、大きな衛星電波がつながれてパソコンまである船に漁師みんな集まったよな。
まじ、命令に感謝した。さすが水辺の精霊、怖さが半端ない。
「インドネシアのグループもこういうのがあります!」
23:Garuda_Student_NOLA
世話になった恩人に言われて水とアルコールそして保存食を準備して昨日の夕方に家を出ました。言われてたコーヒー農園まで頑張って途中から歩いたら、なんとも準備がいいことに支援グッズが大量にあった。
ネット環境も事前に準備してたらしいけど・・・・学生キャンプのお手伝いって言われてきてたんだけど?
なにこれ浄水タブレット?って。
「浄水タブレットを手配してた人がいるらしいんですが・・・・被災者用だったらしく街に配りに行くための地域の情報がほしいそうです!配送予定を組み立てる材料に被災地の情報上げてもいいですか?」
「いいが、たしかあそこって・・・・・やっぱりそうか、ファティマさんが手配していた被災地支援活動だな・・・。」
「支援グッズとスタッフもいるとなれば・・・・」
まとめ上げていた支援対策の書類を鞄から取り出し、確認する。
「いいか!移動手段は牛車 もしくは、 オフロードバイク! もしくは 徒歩。 手で漕ぐボートや船なんかは、 だめだ、瓦礫が当たったりとかして即座に 転覆する可能性が非常に高い。」
「道路全体が泥になっているようだと情報がありました!!どうしましょうか?」
「泥の上に、瓦礫になっているものを載せて、それかあちらにはヤシの木の細工物が多数あったろう?きっと大量にある場所もあったはずだ・・・葉っぱはそのまま載せて、ヤシの皮を編んだものをそのまま泥の上に落とせば沈まないように歩きやすくは多少はなるだろう・・・。」
「この後も、震災情報が入ってくるだろうが・・・・今までの部分は比較的被害が軽度の地域だ・・・。辛くなるだろうが、みんな頼むよ。」
155:Masjid_Strong_Hold
モスクが・・・・!!家族が!情報を家族の情報を求む!!名前はイスカンダル・ムナワル、息子でいつも家族を労わってくれるいたずらっ子だが優しい子なんだ!年齢は12歳、そしてシティ・ムナワル、娘だ長女で15歳、家族の支えになろうと家事も手伝いも必死に頑張ってくれている子で、私の宝物なんだ!
頼む、モスクに避難していないって言ってくれ!!私の祖母が預かってるっていってくれ・・・・。
誰か私の希望を見つけてくれ!私の命をやってもいい!!頼む!
「行方不明者追加・・・長男イスカンダル・ムナワル12歳、長女シティ・ムナワル15歳、現在の仕事内容とご家族が暮らしてた住所を書いてもらって!」
「インドネシアのアチェの衛星写真届きました!!モスク自体は残っているそうです!!」
「残ってても30mの瓦礫と津波だぞ?泥と瓦礫に1階どころか2階まで被災してるんじゃないか?」
「泥を掻き出す方法をすぐさま考案しないとッ、死んでしまう!!!」
「泥だぜ?そんなに怖いもか?」
「ここで、勘違いしているようだが、この泥というのは少しの範囲ではなく、おそらく・・・インドネシアのアチェと呼ばれる州都、そして美しい海岸線があるランプルと呼ばれる沿岸の町全体、インフラは存在しない西海岸・・・すべてに泥があると思ってほしい。」
「しかもその泥は深い。簡単な見方をして怖がらないふりをしないように。特に我々は今現在、命のライフラインを握っているに等しい。頼むから真摯に取り組んでくれ、耐えられないなら、勿論抜けていい。ここまでのバイト代を支払うから。」
「申し訳ありませんでした。ただ、冗談でも言ってないと悲しくて。」
「悲しいのは君の心が正常バイパスだからだ。さ、続きをやろう」
「教授! 救援リストに大型の汚泥吸引車を加えますか?」
学生の問いに、レナードは短く首を振った。
「恐らく瓦礫を吸い込んで5分と立たずに故障する、その後、その車をどかすまでに2次災害が発生するリスクと、救助の邪魔になる可能性が大きい・・・一応検討済みなんだその案は・・・。」
「教授なにか救助でできることは無いかってコメントが・・」
「今開いている手を全て、スコップとヤシの木に変えてほりだせ。ただし、既に泥に埋まっている人のデッドライン――3時間を過ぎている・・・・現地時間で22時間過ぎているから・・・・遺体を腐らせる前に冷たい泥からだすくらいしかできない。」
「そんな・・・・・埋まってる人は既に死んでるっていうんですか!?」
一気に不穏にざわめく周囲を見て、真実を話したのは早計だったか・・・。
「豆知識として知っておいてほしいんだが、泥の中に遺体が入っていると驚くほど腐敗がはやい。アメリカでもそうだがDNAが登録されている犯罪者などでない限り、遺体をDNAで鑑定して誰かを特定するのは時間が必要になる・・・・。」
ギデオンが泥のなかで息絶える人間の特定事情を語ってくれた。
「これからなら時間はいくらでも・・・」
「時間があっても記録が消失されていればっ!不可能なんだ。歯の治療痕などで判別するデータが恐らくほとんどすべてこの地震で無くなっている。きっとそこにいると思っても誰か分からずに、埋葬することになる。いいか?これだけ大規模なら遺体は腐っていく。この国のように整った遺体安置所なんて存在しない!だから時間が鍵なんだ。」
甘い見通しに思わずといった感じでギデオンが声をあらあげている
「ありがとうギデオン捜査官つらい・・・真実を言ってくれて。ただ、まだ希望は―――あると信じよう。瓦礫の方は人が生きてるかもしれない。72時間のデッドラインをまだ超えていない。現地の判断になるが、出来るだけ最後を看取るためにも生きてるうちに助けてやってくれ。」
「ギデオン捜査官のほうからもなにか伝えることはあるか。」
「瓦礫やガラスは危ないから軍手だけでなく皮手袋があればいい、なければ軍手の下にビニールの手袋を装着し、目は伊達メガネでもいいので保護のため眼鏡を。
暑いかもしれないが瓦礫の埃は非常に不衛生だマスクを2重から3重にしたほうがいい・・・ 当然ながらサンダルは足を痛めてしまう確率が上がる、靴の下にプラスチックか鉄の板を入れておくと安心だ。」
「それから―― 叫ぶのは体力を消耗する。ホイッスルを吹けおそらく息遣いが聞こえるだろうから。」
いろいろなアドバイスをくれまとめたてチャットに送られた。
:Rescue_Protocol (LSU_Group)
救助に当たる者たちへ。自分自身を犠牲にするな。
1.装備:厚手の靴、革手袋(なければ軍手二重)、マスク。
気候が非常に温かい地域なのは知っている。だがなくてはならない装備だ。
ないならば、プラスチックを靴の下にいれてくれ。
2.消毒:作業後は必ず強い酒や石鹸で手を洗え。小さな傷でも放置するな。
非常に難しいことは理解している。水は貴重で周りはガレキに泥だらけ、だが小さな傷から今の栄養が足りない状況であるからだが心身共に弱っているときにかかるものは・・・・致命傷につながる。
アルコールで拭くだけでもしてくれ。
3.破傷風:数日以内に発熱したら即座に医療班を探せ。
医師が足りないのは理解している。すぐに海外からの派遣で医療班が行く。
すまない。今はみんなで耐えてくれ。
4.チーム:必ず3人以上で動け。一人ががれきの下に入るとき、二人が外で支えろ。 勇気は称える。だが、生きて戻ることが最大の任務だ。
5.現地の被害状況が知りたい。このチャットは1時間おきくらいに情報を投下してくれると助かる。
「助言には感謝する。救助の場合のマニュアルもあるにはあるが本職ほどの助言は流石に無理だ。だが——本当に・・・アンジェラが言った通りに動いていれば、この映像に映っている人々は今、高台の安全な場所にいたはずだ。それを、君たちの組織は……!」
「すまない。どんな言葉を言っても今のあなたたちには無為に届くだろう…。」
当時感染症は広がらなかったそうですが、本当によかった。




