デュオハルマさんのお家
城下の北側、やや治安のよろしくない場所にデュオハルマさんのお店があります。
簡単な作りの家が沢山ある中で、デュオハルマさんのお店は3階建てです。
ビックリですよね。
デュオハルマさんて、プチセレブみたいですね。
北側の地域では。
「デュオハルマさんのお家に住み着いたら、プチ玉の輿になるのでしょうか?絶妙ですね」
う〜んう〜ん 悩んでいたら ガシッ!と頭を丸捕まえされました。
「おい。」
怒気を含んだ顔と声のデュオハルマさんでした。
何故 怒っていらっしゃるのでしょう?
不思議に思っていたら 「声に出でんだよ。くぉるぁ」
顔面凶器です。そんなに近くに顔を近づけないで下さい。凄く怖すぎます!
「デュオハルマさん。これ 何処に持ってくんですか?」
ボー君が荷物を抱えながら こちらを見ています。
「おう。それはキッチンに持ってってくれや」
ちょっぴり優しげな声で話すデュオハルマさん。
「なんだ。その顔は。お前もさっさと働けや」
怒気を含んでいます。ボー君との声の扱いが違いすぎます!
デュオハルマさんは子供好きですね。
「はい!ちゃんとお掃除していますよ!」
デュオハルマさんが お部屋をグルリと見回します。
とたんに 顔が渋いような苦いような顔になりました。
何故そんな微妙な顔をなさるのでしょうね?
「この部屋。こんなに綺麗で広かったんだな。しかもこんな短時間で よくここまで綺麗にしたな」
「えっへん。まかせて下さい!コツさえ掴めば 豚小屋だってあっと言う間に綺麗になります!」
「ぅおい。家が豚小屋だってか?」
「いいえっ立派な一軒家です!」
ちなみに。豚さんは綺麗好きです。
「次は 何処を掃除しますか?」
「いや。他は それぞれがやってる。此処がお前の当番だったんだが・・・」
「でわ。お茶を淹れますねっ!一服です」
「ああ。そうだな。頼むわ」
ポリポリと頬を掻きながら、部屋から出て行きます。
きっと皆さんに一服だと言いに行ってくれるのですね。ツンデレですね。ツンデレ。
さて。台所に行きましょうか。
ルンルンしながら下に行きます。
私が担当したのは、3階全部です。
デュオハルマさんの生活権、倉庫です。
2階はお風呂や台所、居間や客室がありますが、こちらはお泊り用です。
1階はお店です。1階と2階にトイレがあります。客室もありますが、こちらの客室は接待や交渉のためのビジネスのための客室です。店頭も結構広くて、雑貨とかあります。
なんか、沢山あります。デュオハルマさんは色々な商売に手を出してますね。何でも屋さんなのでしょうか?
納得できますよね。この旅の間も全て自分でやってましたし。
馬車のメンテナンスから、鍋の修理まで。
お湯を沸かし、皆さんの分のカップを用意して、茶葉(デュオハルマお手製)を用意して気付きました。
「デュオハルマさんは器用貧乏!」
「おい。てめぇ俺にどんだけ恨みがあんだよ」
怒気はないけれど、今まで聞いたことのない低い声です。
その後ろに口に手を当てて顔を背き、肩を震わせている方が数名いました。
デュオハルマさんが連れて来てくださったのでしょう。
「いえ。恨みは無いですよ?ただ気づいてしまったのです!」
「ほう?何をだ?」
「デュオハルマさんは、ゴツくて怖い顔をしていますよ!ですが中身は面倒見の良い方です!そして何でも出来てしまいます!ですが、モテません!!顔が厳ついから!損をしていますよね!!なので気付きました!!!
デュオハルマさんは器用貧乏だと!!!」
後ろにいらっしゃる方々の方が激しく揺れます。
「・・・・・・・・・・」
デュオハルマさんは無言のまま居なくなってしまいました。
何故か肩を落として。




