どうしましょう
私は今、手首に縄をグルグルに縛られています。
他にも、痩せ細った子供、泣いて縮こまっている女性、ずっと巻いたままなのか汚れた包帯を片側の目を覆って項垂れている男性、他にも獣人や、肌の色が色々、髪の色も色々な方達が、私と同じように 鉄格子の檻の中に居ます。
皆さん、虚ろな眼をしています。
コレは奴隷と言う者になるのでしょうか。
映画やアニメでも 奴隷が居る物語がありましたが、やはり現実は違います。
当たり前ですが、絶望感や扱いの酷さ。
臭いも酷いものです。
どうして私が奴隷になっているかと言うと、簡潔に言えば
たまたま捕まってしまった。
って事になります。
「お祭りですかっ?!!!行きたいです!!!行きたいです!!!」
私は凄く興奮してしまいました。
お祭りですよっ!ずーっとずーっと 島に居ると何も無さすぎて暇だったのです!
ちゃんとお家の事はしていました。
でも、お話し相手は無口なイースさんだけなのです。
とても感謝はしているのですが、やはり 娯楽は欲しくなるのです。
買って頂いた本も もうページをめくらなくても読めてしまいます。
朗読出来てしまいます。イースさんに ちょっと自慢したくて朗読を始めたら 語り始めで「出る」と出て行ってしまいました。最近、必ず一言、二言 行ってから出かけるようになってくれましたが、短い。
そして、私の必死の説得でお祭りに連れてってくれる事になったのですが、この有様でございます。
「いろ」と離れるなよと短い言葉を。優しい言葉をかけてくださったのに。
人混みが凄いので、イースさんの服の端を少し掴まっていたんですが、本当に少しだったので、あっっ!と言う間に人混みに流され、迷子になってしまったわけでして。
「ぅぅっおか・・ぁさ・・ひっく」
ちょっと 何度目かの現実逃避をしていたら 子供の泣く声が聞こえてきたので、子供の方へ移動して 隣に座りました。ビクッと身体を震わせて、私を涙と鼻水でグチャグチャになった顔で見てきました。
私は 大丈夫だよ と言いそうになり、言葉が出せませんでした。
大丈夫だなんて言えません。助けることが出来ない私には、とても言えるような言葉ではなかったのです。
上手に笑えたでしょうか? 顔が引きつっていませんでしょうか?子供の頭を撫でて ヨシヨシと撫でる私は、本当は自分を慰めているのかもしれません。
イースさんは・・・・きっと来てはくれないでしょう。
恐る恐る私にもたれ掛かって来た子供の体温が、とても切なくて、心強くて、とても怖くてしかたありません。




