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僕の美少女モンスター  作者: 秋保嵐馬
Ⅴ.僕と美少女モンスターと家族たち
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二、なあたんと美幼女モンスター、兄ハーピーに妹マーメイド9

「絆ちゃん、もういいじゃない。ララのことは、四人に任せておけばいいわ。私たちは帰りましょう」

 マナが僕の袖を引っ張った。

 マナの言う通りだ。

 ララは家族に――、ゆうたんことユラに会いたがっていたし、それは果たせた。

 あとはユラとララ姉妹の問題なわけで、僕が口を出すことじゃない。

 確かにそうなんだけど……。

「でもさ、マナ」

「どうしたの?」

「ラキが言っていただろ。ララをモンスターの世界に返しても、自分の家に帰れるかどうかは分からないって。ユラやライムなら、ララを自分の家に帰すことができるのかな?」

「さあ、それは……」

 僕も滅茶苦茶なことを聞いている。

 そんなこと、マナにだって分かるわけがない。

「どうなの、ライム?」

 帰りかけた僕は、振り返ってまたライムに聞いてしまった。

 ライムがこの四人のリーダーのようなので、どうしても質問はライムにしてしまう。

「今の私たちには……、モンスターの世界に帰る手立てがありません。そのマーメイドはおそらく持っているでしょうけれど、私たちはモンスターの世界と人間の世界をつなぐ鍵水晶キークリスタルを与えられていないのです。あれば、勝手にモンスターの世界に帰れてしまうわけですから、罰を受けている今、持っていないのはまあ当然なのですけれど」

「じゃあ、ララはどうするの?」

 四人の女子高生モンスターはしばらく黙ってしまったが――、やがてユラが口を開いた。

「ライム、クオン、ミア……、なんの事前の相談も無しで悪いんだが……、ララを私たちの住まいに置いてやってもらえないだろうか」

 ユラが口を開いたのは僕に対してではない。

 仲間の三人に対してだったのだ。

「ふふ、ユラ、いまさら何を。そんなの全然構わないですよ」

「ライム……」

「あたしたちもだ」

「ユラの妹なら、私たちの妹も同然だからな」

「クオン、ミア……」

 マナが再び僕の裾を引っ張った。

「――だって、絆ちゃん」

「うん……」

 これならとりあえず安心だ。

 モンスターの世界に強制的に帰されても、ララは自分の家に帰れるかどうか分からない。

 それよりは、ライム、ユラ、クオン、ミアたちにとっては本意ではないのかもしれないけれど、人間の世界でララもいっしょに暮らしたほうが絶対いい。

 いつか、ライム、ユラ、クオン、ミアたちがモンスターの世界に帰ることが許されたら、ララもいっしょに帰れるはずだから。

「じゃあ、僕たちこれで帰るよ。ララ、またね。ゆうたんに会えて良かったね」

 僕は、もう早くこの場から立ち去りたいオーラ全開のマナと共に、彼女らに背を向けた。

「あ、なあたん」

 後ろから声が走ってきた。

 声の主が、後ろから僕にしがみついた。

「ララ?」

「なあたん、行っちゃうの? また会える?」

「え……」

 僕は言葉につまった。

 マナの顔を見る。

 やれやれという表情だ。

 後ろの四人は……、まあ、見るまでもないか。

「また会えるよ、ララ」

「うん、約束」

「約束か……、じゃあ、指切り」

「ゆびきり……」

 僕が差し出した小指を、ララが不思議そうに眺めた。

 そうか、モンスターには指切りの習慣がないのか。

 まあ、人間の世界の習慣といっても、日本など一部の国での習慣らしいから、モンスターが知らないのは当然といえば当然だろう。

「これに、指を巻きつけるんだよ」

「巻きつけるの?」

 ララは何を勘違いしたのか、自分の蛸の足を一本伸ばすと、僕の小指に巻きつけてきた。

 つるんとして柔らかい、ララの蛸の足。

「はは、じゃあ、これで指切りゲンマンな」

「げんまん? げんまん、げんまん」

 意味が分かっているんだかいないんだか、ララは僕の小指に巻きつけた蛸の足を上下に振った。

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