表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕の美少女モンスター  作者: 秋保嵐馬
Ⅴ.僕と美少女モンスターと家族たち
86/131

二、なあたんと美幼女モンスター、兄ハーピーに妹マーメイド8

「私たちは罰としてモンスターの世界から人間の世界に来させられてしまったのです。そして人間の世界で善行を積むまで、帰れないことになってしまいました」

「へえ、そうだったんだ」

 今まで黙っていたミアが舌打ちをした。

 ミアは四人の中でいちばんの長身だ。

 一六五センチの僕より背が高い。

「ちっ、ライムもクオンも要らないことをべらべらしゃべるな。おい、掛橋絆、用が済んだのなら、とっとと帰れ」

 ミアの言いように、またまたマナが噛み付いた。

「ちょっと何よ、その言い振り。絆ちゃんが助けたあげなかったらララは車に轢かれていたのよ。もっとちゃんとお礼を言ったらどうなの?」

 マナの声にユラが驚いてララの顔を見た。

「ララ、本当なのか?」

「うん。こわかった。でも、なあたんが助けてくれたから大丈夫」

「怪我はしなかったのか」

「うん」

 ユラが立ち上がった。

「掛橋絆。ララのことはありがとう。礼を言う」

 まじめてまともにお礼を言われた気がする。

「いや、いいよ。とにかく、ララは家族の元に帰りたがっていたから……、お姉さんの君の所に戻れて良かった。――あ、ところでさ」

「? なんだ」

 僕はさっきからちょっと気になっていたことをたずねた。

「その……、君もだけど、クオンもライムもミアも……、戦ったときの怪我は大丈夫なの」

「絆ちゃん、こいつらは敵なのよ」

 マナが少々あきれた様に言う。

「そうだけど……、でも怪我はどうだったのかと思ってさ。特にユラはマナが足を切っちゃっただろ」

 マナの起死回生の鱗カッターで、ユラは八本の蛸の足を全て切断された。

 でも、今のユラにはちゃんと足がある。

 人間の姿だから、その姿は二本と、六本少ないけれど……。

「ふん、あたしのことを心配してくれるの?」

 ユラがそっぽを向く。

 ユラの丸いほっぺがちょっと赤い。

 頬を紅潮させるほど怒らせちゃったのかな?

「スキュラの足は時間が経てば再生するのです。ユラの怪我はもう大丈夫なのですよ」

 代わりにライムが答えた。

「ユラ、せっかく掛橋絆さんが心配してくれたのです。元気な姿を見せてあげたら?」

「ふん、掛橋絆。別におまえのために見せてやるんじゃないぞ。スキュラの姿になれば、ララも喜ぶからな」

 言葉が終わると同時に、ユラの姿がぼわんと煙に包まれた。

 煙の中から姿を現したのはスキュラ体のユラだった。

 緑の髪に、ダークグリーンの八本の蛸の足。

 なるほど、確かに八本とも足は完全に再生されていた。

 蛸の八本の足での立ち姿は、なんだかロングのフレアスカートをはいているように見える。

「あ、ゆうたんが、ララと同じになった! わーい!」

 ララは喜びの声を上げると、自分もスカートをぬいで、八本の足をあらわにした。

「本当だ。怪我が治ったんだ。良かったねユラ」

「絆ちゃんたら……」

 僕の言葉に、隣のマナはあきれ顔だ。

「ララと同じ♪ ララと同じ♪」

 ララはすっかり喜んでいる。

「あ、でも、もう人間の姿に戻った方がいいんじゃない? 誰かに見られたら……」

「言われなくてもそのつもりだ」

 再び煙を放ち、ユラは人間の姿に戻った。

「ほら、ララもスカートはいて……」

 ユラは妹にスカートをはかせ、蛸の足を覆い隠す。

「ララは人間の姿になれないんだね?」

「ああ。変身術を身につけていないからな」

 スカートをはかせながら、ユラが答えた。

「私たちはモンスターの学校で変身術を習うの。もとから変身できるわけじゃないのよ」

 マナが補足した。

「モンスターの中には、先天的に人間への変身能力をもつ者たちもいるわ。ヴァンパイヤの血祭冴や、人狼の大神浪子がそうね。私やケイやハピ、それにこの四人も、変身能力は後天的に身につけたの。煙が出るでしょ? あれが後天的な変身能力のしるし」

「へえーー」

 いろいろ新しいことが分かったな。

「ねえ、あのさ……」

「まだ何かあるのか」

 ミアがうるさそうに僕をにらんだ。

 背が高いミアから上からにらみつけられると、ちょっとこわいよ。

 半人半蛇のラミアのモンスター体になると、更に体長が伸びるわけだけど。

「その……、君たち四人は罰で人間の世界に来たってことだけど……。ララは? ララも罰でここに来たわけ?」

「ララは違う! 妹は罰を受けるようなことなどしていない」

「ユラ、落ち着きなさい」

「ライム……」

「掛橋絆さん。仰る通り、ララは私たちとは別です。先頃、モンスターの世界が不安定になり、人間の世界とイレギュラーにつながってしまいました。ララはそこから人間の世界に迷い込んできてしまったのです。たまたまこの高校の校舎内部にトンネルが開き、ララは私たちと会えたのですが……、ちょっと目を離した隙にいなくなってしまいまして……。心配していたのですよ。だから、あなたがララを保護してくださっていたのは本当に幸運でした」

「ライム、ララはどうなるの?」

「それは……」

 ライムが言いよどんだ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ