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僕の美少女モンスター  作者: 秋保嵐馬
Ⅴ.僕と美少女モンスターと家族たち
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二、なあたんと美幼女モンスター、兄ハーピーに妹マーメイド2

 人通りが少なくなってきた。

 以前、ラミアのミアと遭遇した辺りだ。

 前から男女の二人組が歩いてきた。

 その二人の容姿に目を引かれた。

 すごい美男美女だ。

 男の方は、長身で金髪のロングヘアーを後ろで束ねた青い瞳。

 女の方は、きれいにウェーブのかかった紫の髪に緑の瞳。

 二人とも、歳は僕と同じぐらいだと思うけど……、同じ人間かと思ってしまうよ。

 外国人かな。

 二人とすれ違った。

 すれ違う時、その二人がちらっと僕らを見た気がした。

 僕は知らんぷりして目を合わせなかったけれど……。

 少し歩いた時、背後から声がした。

「待って」

 女の声だ。

 あの紫の髪の子だろう。

 僕は振り向いた。

 金髪の男と、紫の髪の女の子もこちらを見ていた。

「潮の香りがする。その子、海のモンスターね」

 女の方が、ずばりララの正体を見抜いた。

 な、何者なんだ、この二人?

 なんとなく、どこかで見たような気もするけれど……。

「君、その女の子をこちらに渡してくれ」

 今度は男の方が口を開いた。

 この二人は誰なんだ?

 ララの知り合い?

 と、いうことは、人間の姿をしているけれど人間ではない?

 モンスターなのか?

 僕はララの顔を見た。

 ララは心配そうな顔で僕をじっと見ている。

「この子は渡せない」

 僕はララを後ろにやり、その前に立った。

 男と女は顔を見合わせた。

「どうする?」

「人間相手に手荒な真似はだめよ」

「そうだな、じゃあ、君の歌で……」

「そうね」

 二人はこんなやり取りをしたように聞こえた。

 女の子が僕に向き直り、歌を歌い始めた。

 こ、これは――?

 聞き覚えのあるこの歌は、人魚のそれだ。

 ということは、この女の子は人間ではなくてモンスター、マーメイド?

 あ、頭がぼうっとしてきた。

 急激に激しい眠気に襲われる。

 このまま眠ってはだめだ。

 ララが連れていかれる!

 僕は持っていた買い物ビニール袋を地面に置き、ポケットに入っていた母さんの包帯の切れ端をちぎり取ると、両耳につめた。

 マミー(ミイラ女)の母さん譲りのこの包帯は伸縮自在。

 そして、僕の意思で自由にコントロールできる。

 僕は両耳に詰めた包帯を意思で微調整して完全に音がシャットアウトできるようにした。

 何も聞こえない。

 押し寄せる眠気がこれ以上増すのだけは食い止められたものの、まだ眠い。

 眠気が覚めるのには時間がかかるようだ。

 思うように動けない。

 というか、このまま眠ってしまいたいという誘惑に駆られる。

 僕は眠気に必死に抵抗した。

 男女が僕に近づいてきた。

 ダメだ、ララを守らなければ!

 僕はポケットに残っていた包帯の切れ端を取り出した。

 それをまた二つにちぎり、念じる。

(手首に巻き付け!)

 ちぎられた二つの包帯の切れ端は、ひゅんと伸びると僕の両手首に巻き付いた。

 僕の両手首には、今、リストバンドのように包帯が巻き付いている。

 その二つの包帯に対し、僕は命じた。

(伸びろ! あの二人に巻き付いて、動きを封じるんだ!)

 僕は二人に向けて両腕を伸ばした。

 僕の両手首の包帯が、しゅるんと伸びて、二人に襲いかかった。

 かつて、スライムのライムの動きを封じたように、二人の動きを封じられるだろうと僕は思ったのだが……、甘かった!

 男は素早く女の子を抱きかかえると、後ろに跳び退いたのだ。

 包帯は虚しく地面を打ったのみだった。

 包帯をいったん戻す。

 しまった、失敗だ。

 手の内を見せてしまった。

 この手段は不意打ちじゃないと使えない。

 あの男の方はかなり素早く動けるらしい。

 今のぼうっとした状態の僕では、手の内を知られた以上、あの男を捕えることは難しそうだ。

 男が何かしゃべっている。

 耳に包帯を詰めて完全に栓をしているので何も聞こえないが。

 男が僕に何か攻撃をしかけようとしてか、身構えた。

 僕は、両手首からの包帯を一メートルくらい伸ばし、蛇が攻撃態勢を取るように構えさせた。

 かかってくるなら受けて立つぞというアピールだ。

 女の子が、男の服をつまんで引っ張った。

 顔を見合わせる二人。

 何かアイコンタクトすると、二人は僕にくるりと背を向け、行ってしまった。

 見逃してくれたのか……?

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